28日(水)に90歳の誕生日を迎えた前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、いまだにF1が2014年にパワーユニットと呼ばれるハイブリッド方式エンジンを導入したことを悔やんでいるようだ。
「2014年にこのハイブリッドエンジンが導入されたとき、私はこれを決めた者たちは正気だとは思えないと言ったんだ。なぜなら、メルセデスが何もかも勝ち取るだろうと思ったからね」
スイスの『Blick(ブリック)』にそう語ったエクレストンは次のように付け加えた。
「それまではファンもこのスポーツを愛していた。(エンジン)音が愛されていたし、ドライバーたちがヒーローだった。今ではドライバーたちは広報担当者たちと一緒に歩き回り、どうでもいいようなことばかり言っているよ」
長期にわたってF1最高権威の座にあったエクレストンだが、新F1オーナーとなったリバティ・メディアにより2017年に降格され、チェイス・キャリーが新たなF1最高責任者に就任していた。
当時エクレストンには名誉会長という役職が与えられたと言われていたが、現在ではすでにその肩書きも失われたことが明らかとなっている。
エクレストンはしばらく妻のファビアナの母国であるブラジルに移り、そこでコーヒー農園の経営にあたっていた。だが、新型コロナウイルスのパンデミックが起きたことで、現在は家族とともにスイスに移り住んでいる。
そして、今年の夏、エクレストンにはエース君という息子が誕生している。
「私ほどの歳になれば、もうばかげたことなど何もしないものさ。誰でも税金を払い、そして死ぬだけさ。まだ私は終わってはいないがね」
そう語ったエクレストンは今でも現役F1ドライバーたちとの交流は続いていると次のように付け加えている。
「私はこれまで以上に幸せだし、すごくうれしく思っているんだ。多くの人たちやドライバーたちが今でも私に電話をかけてきてアドバイスを求めてくれるんだからね」
自分の業績の中で最も素晴らしいと思うのは「ウィリアムズを何度も救ったし、他にもいくつかのチームを破綻から救ったこと、そして大勢の人たちを大金持ちにしたことさ」と語ったエクレストンは、現在抱いている野心は何かと質問されると次のように答えた。
「息子のエースと話ができればいいなと思っているよ」