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【決勝レースレポート】ハミルトンがF1の歴史を塗り替えた。皇帝を上回る92勝目!ホンダF1は3位と5位/F1ポルトガルGP

2020年10月26日(月)1:01 am

ルイス・ハミルトンがF1の歴史を塗り替えた。

F1第12戦ポルトガルGP(アルガルベ)決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝し、ミハエル・シューマッハを抜いてF1歴代最多となる92勝目を達成した。2位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だった。

●【決勝結果】F1第12戦ポルトガルGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■オープニングラップ、メルセデス崩れる

サーキット上空は厚い雲に覆われ、今にも雨が降りだしそうな中でレースは定刻通り始まった。ポールポジションからスタートしたハミルトンは、オープニングラップでボッタス、そしてカルロス・サインツ(マクラーレン)に抜かれ、深刻なグリップ不足に悩まされる。メルセデス勢のミディアムタイヤはまったく温まらない状態だった。その後ソフトタイヤを履くサインツはボッタスも抜いて2周目にはトップに立った。

しかし、タイヤの温度が上がってグリップを取り戻したメルセデスのボッタスは5周目にはサインツをオーバーテイク。サインツは6周目にはハミルトン、7周目にはフェルスタッペン、11周目にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも抜かれて5番手に落ちた。

20周目、ハミルトンはボッタスを抜き去ってリードを奪った。その後はピットインで一時的にトップを明け渡すが、ファステストラップを更新し続け、最終的にはボッタスを今年最大ぼギャップとなる25.592秒も引き離し、ミハエル・シューマッハを抜いてF1歴代最多勝利となる92勝目を挙げた。

■フェルスタッペン、ペレスと接触

3番手スタートのフェルスタッペンは、オープニングラップでやはりタイヤの温度が上がらず、仕掛けてきたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)と接触。フェルスタッペンは5番手まで落とし、ペレスはスピンして最後尾まで落ちてしまった。しかし、両者ともにばん回し、フェルスタッペンは3位表彰台を獲得。最後尾に落ちたペレスは驚異的なばん回を見せ、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)とサインツに続く7位でフィニッシュしている。

4番手スタートのルクレールは、決勝でも力強いパフォーマンスを見せて4位でフィニッシュを果たした。フェラーリは本来の速さを取り戻しつつあるようだ。セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は10位でなんとかポイント圏内でフィニッシュできた。

素晴らしいレースをしたガスリーは5位でフィニッシュ。オープニングラップからメルセデスを追い回し、2周目から5周目までは1位を走行していたサインツは6位でフィニッシュした。

ルノー勢はエステバン・オコン(ルノー)が8位、ダニエル・リカルド(ルノー)が9位でフィニッシュ。

■ストロール、ついていない日曜日

ランス・ストロール(レーシングポイント)はついてない日曜日となった。18周目のターン1ではランド・ノリス(マクラーレン)に対してかなり強引にアウト側から仕掛けて接触してスピン。この一件とトラックリミット違反でもそれぞれ5秒タイムペナルティを科せられた。ノリスとの接触が原因で、最終的にはガレージに頭から入る形でリタイアとなった。

一方、ノリスは前半こそ上位で戦っていたが、ストロールとの接触後にピットインを余儀なくされ最後尾に落ちると、最終的には友人のアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)に挟まれる13位でフィニッシュしている。

■ライコネン、1周目に16番手から6番手に浮上

多くのマシンがタイヤの温度が上がらなかったことで苦しんだが、1周目に信じられないジャンプアップを見せてくれたのはベテランのキミ・ライコネン(アルファロメオ)だ。

ライコネンは16番手スタートからコーナーごとに次々とオーバーテイク、たったの1周で6番手まで浮上したのだ。しかし、各ドライバーのタイヤのグリップが戻るとライコネンはアルファロメオの戦闘力では順位を守り切れず、最終的には11位でフィニッシュ。それでもレース中はフェアで印象的な激しいバトルを見せてくれ、5位のペレスから11位のライコネンまではわずか10秒程度の差でフィニッシュしている。

■アルボン、フェルスタッペンに周回遅れにされる

レッドブル・ホンダのアルボンにとっては残念な週末となった。フェルスタッペンは3位でフィニッシュしたが、チームメートのアルボンは2回のピットストップをした後、残り15周というところでフェルスタッペンに周回遅れにされ、12位に終わった。

■歴代最多92勝目のハミルトン「足がつった」

心配された雨は時折小さな雨粒が落ちる程度だったが、ハミルトンを最も苦しめたのは天候でもタイヤのグリップ不足でもなく、右ふくらはぎの痙攣だったかもしれない。レース中に「足がつった」と無線で訴えていたハミルトンは、スロットルを戻しながら右足のふくらはぎをストレッチしていたという。それでもファステストラップを叩き出してしまったのだから、この勢いは止まりそうにない。

F1歴代最多勝利となる92勝目を挙げたことにハミルトンは次のようにコメントした。

「受け止めるにはもう少し時間がかかりそうだ。だけどフィニッシュするまで全開でプッシュしていたんだ。まだ気持ちがレースモードで・・・今のところ言葉が見つからないよ。」

■次は2006年以来となるイモラ

次戦は1週間後、イタリアのイモラだ。2006年以来のF1開催となるイモラは、実験的に2日間の開催となる。つまり、フリー走行は土曜日の1回だけで、そのまま予選を行い、日曜日にレースを行う予定だ。しかしすでに前戦のニュルブルクリンクでは、金曜日が天候不良により中止となったため、実質は土日の2日間開催を経験していることになる。その時の土曜日はかなり慌ただしいフリー走行となっていたが、イモラではどんなレース週末になるだろうか。イモラでのF1レースを経験しているのは、当時マクラーレン・メルセデスをドライブしていたライコネンただ1人だ。

●【ハイライト動画:決勝レース】ハミルトン、完勝で歴史を塗り変えた!皇帝シューマッハを抜く92勝目!レッドブル・ホンダは3位/F1ポルトガルGP

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