ロマン・グロージャンが、所属するハースが2021年シーズンに向けて現在のドライバーを2人とも放出する決断をしたことには驚いたと語った。
22日(木)にグロージャンとケビン・マグヌッセンが2020年限りでハースF1のシートを失うことが明らかとなったが、チームの発表を受けてフランス国籍ドライバーのグロージャンは次のようにコメントした。
「僕たちのうちどちらかが去らなくてはならないだろうとは想像していたんだ。だけど、正直に言って2人ともだったのには驚いたよ。僕は財政面のことを軽く見過ぎていたかもしれないね」
「コロナ危機によってこの状況が改善されなかったのは確かだし、ジーン・ハース(チームオーナー)は自分のポケットからどれほどの金を注ぎ込む必要があるのかを自問したんじゃないかな」
ともあれ、現時点においては34歳のグロージャンと28歳のマグヌッセンは2人ともこのままF1キャリアを終えることになる可能性が非常に高いと考えられている。
グロージャン自身もそれを認め、次のように語った。
「これで僕のF1キャリアが終わりを告げることになる可能性はあるね」
「絶対とは言えないし、ドアが開けられる可能性だって常にある。だけど、僕は2021年シーズンに向けてはF1以外のものに目を向けているよ」
うわさによれば、グロージャンはフォーミュラEに転向する可能性が高いと言われており、22日(木)にはマヒンドラ・レーシングのシミュレーターでテストを行ったことも伝えられている。また、母国フランスの自動車メーカーであるプジョーが2022年から開始するWEC(世界耐久選手権)プロジェクトに加入するのではないかとのうわさもあるようだ。
一方、デンマーク出身のマグヌッセンにはインディカー転向の可能性が高いといううわさがある。
そのことについて尋ねられたマグヌッセンは次のように答えている。
「僕の父も90年代にそこで走っていたし、僕もずっとあれはすごくカッコイイと思っていたんだ」
「だけど、この複雑な時期にあって、アメリカでうまくやることができるかどうかは分からないよ」
マグヌッセンもグロージャン同様、自分がハースを放出されることになったのはチームの財政状況が最も大きく影響したのだと考えている。
「僕もいくつかスポンサーを持っている。だけど、ほかのドライバーが持ち込むことができるものに比べれば、それでは十分ではないんだ。僕のオプションは限られているからね」
ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも「我々としてはドライバーが持ち込むことができる資金にも目を向ける必要があった」と語り、今回の決定が資金的なものと関わっていたのは事実だと認めている。
実質6年に及んだF1生活に別れを告げる可能性が高まったマグヌッセンは次のように付け加えた。
「正直なところ、僕はレースに勝つ感触を恋しく思っているんだ。そして、ほかのカテゴリーなら勝つこともより簡単かもしれないよ」