2020年シーズン限りでフェラーリと決別するセバスチャン・ベッテルだが、すでに2021年は1年間F1から離れることを決めたのかもしれない。
そう考えているのはベッテルと同じドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハだ。
ベッテルに関しては、少し前まで2021年にアストンマーティンと名前が変わることになっているレーシングポイントへの移籍が発表されるのではないかとのうわさがささやかれていた。
だが、ラルフ・シューマッハはなぜか突然ベッテルに関するうわさを耳にすることがなくなったと感じている。
実際のところ、ベッテルの加入にともなってレーシングポイントのシートを失うことになると考えられていたセルジオ・ペレスが最近では2021年に自分がアストンマーティンで走るのは間違いないという趣旨のコメントを行うようになっている。
「彼(ベッテル)に関しては、残りのレースでチームメート(シャルル・ルクレール)よりも上に立つことが重要であり、その後は家に帰って今後も続けたいと思うかどうかを考えるつもりだろう」
『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「現時点では彼の周りはものすごく静かになっている。多分、彼は1年休みをとろうと決めたんじゃないかな」
レッドブルで4度F1王座に就いたベッテルだが、2015年にフェラーリに移籍したものの5回目のタイトルには手が届かないままフェラーリを去ることになってしまった。しかも、その最後の年である2020年のフェラーリは競争力に乏しく、先週末にスパ・フランコルシャンで行われたベルギーGPではQ3進出もポイント獲得もできないという悲惨とも言える状況となっている。
フェラーリに移籍したことを後悔しているのではないかと尋ねられたベッテルはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように答えている。
「フェラーリに行ったことを後悔していないよ」
「タイトルをとることはできなかったかもしれないけれど、あのときの選択は間違っていなかったよ。いいときも悪いときもあった。だけど、僕はいつもその瞬間を生きてきたんだ」
「結局のところ、全てのことに終わりがある。それだけのことさ。僕はすでに新たな目標に向けて取り組んでいるよ」
現時点においてベッテルが2021年もF1にとどまるかどうかは非常に不透明になっているのは確かだ。実際のところ、ベッテルが今季限りでF1を引退する可能性も小さくはないと考えられている。
だが、ベッテルは次のように続けた。
「(F1を)やめて、家で長椅子に座ることもできるよ。だけど、今でもF1は本当に素晴らしいと思っているんだ」
「分かっているのは、僕は大きな目標を達成しようという野心を持つチームだけを選ぶということさ」
さらに、苦戦を強いられている現在のフェラーリでの戦いについて質問されたベッテルは次のように答えている。
「この数年間、多くの人たちが僕を助けてくれようとしてきた。僕はそのお返しに同じことをして敬意を示したいと思っているんだ」