NEXT...F1開催スケジュール

「ハミルトンのメルセデスF1マシンはシューマッハが手にしていたフェラーリF1マシンよりも上」とメルセデスの元レース責任者

2020年08月28日(金)12:06 pm

かつてメルセデスのモータースポーツ責任者を務めていたノルベルト・ハウグは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は史上最強のF1マシンを手にしていると考えている。

新型コロナウイルスのパンデミックにより開幕が大幅に遅れた2020年のF1だが、ハミルトンはここまでに行われた6レースですでに4勝をあげて通算勝利数を88勝に伸ばしている。

ハミルトンが今年中にミハエル・シューマッハが持つF1史上最多優勝記録(91勝)を塗り替えるとともに、やはりシューマッハが持つF1史上最多ドライバーズタイトル獲得記録に並ぶ通算7回目のタイトルを手にするのはほぼ確実だろうと見られている。

「長い間、ミハエルの記録が破られることはもちろん、それに近づく者が出ることすら想像できなかった」

母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語った67歳のハウグは次のように続けた。

「しかし、ミハエルはルイスがメルセデスで手にしているような抜きん出た環境や他の追随を許さないレーシングカーを持ったことは一度もなかった」

実際のところ、2014年にパワーユニットと呼ばれるハイブリッド方式の現行F1エンジンが導入されて以来、メルセデスが6年連続でコンストラクターズタイトルを独占している。

そのメルセデスF1マシンを駆るハミルトンも、2016年に一度だけニコ・ロズベルグに敗れたものの、メルセデスで5回ドライバーズタイトルを獲得しており2008年にマクラーレンで獲得した1回を合わせると歴代単独2位となる6回のタイトルを獲得している。

ハミルトンがこうした活躍をすることができたのはライバルチームたちに圧倒的な差をつけるF1マシン製造に成功したメルセデスのおかげであることは確かだ。

「それは決してこの男(ハミルトン)の素晴らしいパフォーマンスをおとしめるものではないよ。私はカート時代から彼がフォーミュラ・ルノー、F3、GP2、そしてF1へと上ってきたのを見てきたからね」

そう続けたハウグは次のように付け加えた。

「ルイスがF1で過ごした14年間にかけて示してきた一貫性や能力は特別だと言うしかないし、恐らく、これが繰り返されることは二度とないだろう」

一方、ハウグは現役F1ドライバーの中でハミルトンに匹敵するような力を持っているのは現在22歳のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だと思うと語り、フェルスタッペンは「間違いなく」35歳のハミルトンと「同じ可能性と能力を持っている」と付け加えている。

また、ハウグと同じドイツ出身のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)について尋ねられたハウグは、ベッテルはフェラーリでタイトルを獲得することなく今季限りで赤いマシンを降りることになったものの、それは彼自身のせいではないと次のように語った。

「メルセデスはルイス・ハミルトンにとって完璧とも言える状況を作りあげることができたが、フェラーリはセバスチャンに対して同じことができなかったんだ」

「実際のところ、シューマッハと(ニキ)ラウダの時代を除けば、フェラーリはそれほど強くはなかったと言っても言い過ぎではないだろう」

2012年シーズンを最後にメルセデスのモータースポーツ責任者を退き、トト・ヴォルフにその職務を引き継いだハウグはそう語ると次のように付け加えた。

「私はフェラーリを愛しているし賞賛もしている。だが、愛や賞賛によって事実が変わるわけではないよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック