キミ・ライコネン(アルファロメオ)が、2018年までフェラーリでチームメートとして一緒に戦ったセバスチャン・ベッテルが現在抱えている問題は“大きなプレッシャー”などではないと語った。
最近の報道によれば、2020年シーズン限りでフェラーリを離脱することが決まっているベッテルはすでにチーム内で孤立した状態となっているとも言われている。
そうした状況のもと、今や完全にベッテルの敵に回ったようにも見えるイタリアのメディアの対応も含め、現在のベッテルはかつて経験したこともないほどのプレッシャーを抱えているのではないかと考えられている。
今季のフェラーリは戦闘力で大きく劣るものの、それでも新たなナンバー1ドライバーとなったシャルル・ルクレールはしぶとく45ポイントを稼いで現時点ではドライバーズランキング4番手につけている。
一方、ベッテルはここまでの6レースで16ポイントしか獲得できておらず、ランキングは現在11番手だ。こうした結果になっている原因のひとつはベッテルが抱えているプレッシャーにあるとの見方もある。
だが、ベッテルとは個人的に親しいことでも知られるライコネンはこうした見方に対して次のようにコメントした。
「プレッシャーとか注目度ということに関してはフェラーリもほかのチームと何ら変わらないよ」
「伝えられている報道全てに目を通せばより悪くなったように見えるだろう。だけど僕はそういう見方をしたことは一度もないよ」
ライコネンは、今のベッテルにとっての最大の問題はフェラーリ内部での問題などではなく自分のマシンが期待したような競争力を発揮できないことだとドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように続けた。
「計画通りに(マシンが)機能してくれなければ一筋縄ではいかないからね」
「僕のいるアルファロメオでもいろんなことが順調に進んではいない。だけど、それはフェラーリとは何の違いもないと思っている。もちろん、イタリアのメディアは辛辣さ。だけどそれはどうしようもないことだよ」
「メディアにとっては何か悪いことを書くのは簡単なことなんだ。だけどいいパフォーマンスを発揮できた次の日には、彼らはまたみんな最高の友人になるんだ。このビジネスはそういうものなのさ」
ライコネンは、今ベッテルが置かれている状況はほかのF1ドライバーと比べても決して特別なものだとは思わないと次のように続けている。
「彼が現在の状況にあまり満足できていないのは確かだろうね。だけど、それはどのチームのどのドライバーでも今の彼の状況に置かれれば同じだよ」
「フェラーリはフェラーリだし、イタリア人たちの注目度は高いかもしれない。でもそれによってドライバーとしての仕事の仕方が変わるわけじゃないんだ」
そう語った40歳のライコネンは次のように付け加えた。
「彼にはこのスポーツで多くの経験もあるし、どうすればこの状況を抜け出すことができるかも分かっていると僕は思うよ」