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新コンコルド協定に全10チームが“ようやく”合意 そもそも「コンコルド協定」って何?

2020年08月20日(木)14:28 pm

長い長い議論と審議の末、F1に参戦する10チームは、新「コンコルド協定」の条件に同意し、来年からの5年間、F1世界選手権に参戦することが確定した。

■「コンコルド協定」って何?

「コンコルド協定」は、F1運営組織のFIA(国際自動車連盟)と、F1世界選手権へ参加するチームとの間の契約を言う。

1981年にフランスの首都パリのコンコルド広場にあるFIAのオフィスで最初に議論され、最初の文書が作成されたためにこう呼ばれている。

■何の契約?

この協定は主に、F1のテレビ放映権の収益と、賞金の分配方法を定義している商業的な文書で、現行の協定は今年末に期限が切れる予定だった。

またF1に出場するには、すべてのチームがコンコルド協定に署名しなければならない。もし1チーム増えれば、1チームあたりの収益配分が変わるためだ。

■契約期間はいつまで?

新「コンコルド契約」は2021年から2025年までの5年間有効となり、F1 CEOのチェイス・キャリー率いるF1の所有者リバティ・メディア(Liberty Media)が最初に合意した。

契約に署名した各チームはその期間に参戦することを確約したことになり、世界選手権を運営している人々、チームのスタッフ、さらに多くのパートナーにも安定性を約束するものになる。

■なぜ新契約が必要?

F1のボスであるチェイス・キャリーとリバティ・メディアは、F1世界選手権の長期的な将来性を確保するため、強力な基盤を構築しようと懸命に働いている。

最初のステップは、来年から導入される革命的とも言える「バジェット・キャップ(予算上限)」、および2022年から導入される大幅な新「技術レギュレーションと新スポーティングルール」だった。

次のステップは、新コマーシャル(商業)協定で、チーム間の経済的格差を減らし、コース上でのパフォーマンス差を近づけることを目的としている。

■なぜ時間がかかった?

2020年は前例のない新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックが起こったため、新コンコルド協定の協議は後回しにして、F1とチームを短期的に支援し、存続させることに焦点が当てられていた。

このウイルスは、何かを変えなければならないことをもう一度思い出させてくれるきっかけにもなり、チャンピオンシップ再開後、商業協定についての協議も再開した。

しかし、F1チームはビジネスでもあるため、お金が交渉のポイントになると常に簡単にはいかないものだ。

賞金の分配方法を変更することで、より多くのシェアを獲得できる一部のチームはハッピーで、他のチームはその逆となるのは避けられない。

そして会談には長い時間がかかった。シルバーストーンでは、いくつかのチームの代表が、歩みを遅らせているライバルに不満を漏らしていた。しかし、最終的には8月18日を締め切りとすることにすべての利害関係者が合意していた。

■F1にとってどんな意味がある?

全10チームが来年からの5年間の協定にサインし、レギュレーションとコストの上限が決まったことで、F1はついに新しい時代に突入するだろう。

この合意により、撤退がうわさされていたメルセデスやハースなども5年間コミットすることにもなった。ハース・チームのオーナー、ジーン・ハースは「戦力を均衡」させようと強く主張していた。

すべてのF1チームが財政的に安定したチーム運営ができ、チーム間の競争力が近づき、レースの魅力が上がり、エキサイティングな時代が始まることが期待される。

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