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今週末のF1レースは「タイヤマネジメント」がカギに

2020年08月06日(木)11:32 am

先週末にシルバーストン・サーキットで今季のF1第4戦イギリスGPが開催されたが、決勝では終盤に相次いでタイヤがパンクするという事態が発生。そこには最強チームであるメルセデスの2台も含まれていた。

今回のタイヤのパンク原因に関してはコース上に落ちていたほかのマシンの破片を踏んだことによるものだった可能性もあると考えられていた。

だが、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、セーフティカー導入があったことで同じタイヤで走行する周回が増えてしまったことに加え、「史上最速のF1マシンがタイヤにこれまでには見られなかったほどの大きな力を加えたこと」が原因となる過度の摩耗によるものだったと説明している。

今週末も同じシルバーストン・サーキットで第5戦F1 70周年記念GPが開催されることになっているが、ピレリはこのレースに先週末よりもさらに一段階軟らかいタイヤを投入することになっている。

伝えられるところによればサーキットでは縁石の手直し作業が施されているというが、今週末のレースではタイヤマネジメントがさらに重要な要素となるのは確かだろう。

メルセデスのあるエンジニアもこのタイヤ問題が今週末は「すごく興味深い」ものになるだろうと語ったと報じられている。

一方、シルバーストンで起きたタイヤトラブルに関しては、F1チームにもその責任の一端があると考えている者もいる。それは、ピレリが2020年シーズン用として開発したタイヤをF1チームたちが拒否し、その結果として今年も2019年仕様のタイヤが使用されているためだ。

だが、ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは、そのことは今回のこととは直接的な関係はないとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。

「(2020年仕様タイヤは)もっと安定性を高めるよう設計されていたもので、摩耗を抑えるものではなかった」

しかし、フィンランドでF1解説者を務めるニキ・ユーセラはテレビ局『C More(セイ・モレ)』に次のように語っている。

「タイヤの開発がF1に追い付いていないね。仮にタイヤの表面が壊れたとしてもサイドウォールがそれを支えるべきなんだ」

「その一方で、これはモータースポーツだし、タイヤの問題も起きるものだよ」

ともあれ、ピレリとしては今週末のレースで先週末のようなことが起きないよう、タイヤの最低空気圧を引き上げるという対策をとることになるようだ。

F1関係者の中にはレース中に2回のタイヤ交換を義務づける必要があるのではないかと主張している者もいる。

だが、イゾラはその考えには賛同できないと次のように語った。

「また早い段階でセーフティカーが入ったらどうするんだい? 我々にできることはそれぞれのタイヤごとに最大限使用できる時間を決めることくらいだよ」

また、もうひとつのタイヤ対策として、F1は今週末の金曜フリー走行で行うことにしていた2021年タイヤの開発テストを中止することになったようだ。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はこれに関して次のように報じている。

「チームたちはシルバーストンの問題だけに集中することになるだろう」

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