フィンランド出身F1ドライバーのバルテリ・ボッタスが、メルセデスはセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)と契約することなど「考えてもいない」と主張した。
2017年からメルセデスでルイス・ハミルトンのチームメートを務めているボッタスだが、契約は単年となっており、来季の去就はまだ確定していない。
だが、今季限りでフェラーリを離脱することが決まったベッテルが来季メルセデスに加入し、ハミルトンのチームメート二なる可能性もあるとのうわさもささやかれるようになっている。
もちろん、そうなればボッタスはシートを失うことになってしまう。実際のところ、ボッタスのマネジャーがルノーと交渉しているとのうわさもある。
テレビ局『Sky(スカイ)』からそうしたうわさに関する質問を受けたボッタスは次のように答えた。
「それは僕にとっては毎年同じだよ」
「まだ(2020年は)1レースもできていないというのに僕のシートを得ようとしている者がいるなんて、すごくこっけいだと思うし、笑っちゃったよ。だから、それに関して僕には何のプレッシャーもないよ」
ボッタスはさらに、実際のところメルセデス首脳部が自分に対して、2021年の候補としてベッテルを検討している事実はないと断言したと次のように続けた。
「僕たちはこれまで常に契約に関してどういう状況にあるのかということについて非常に正直にやってきたし、彼ら(メルセデス)からはセブ(ベッテルの愛称)のことは考えていないとかなり率直なメッセージを受け取ったよ」
「だから僕も言ったんだ。分かった、それなら何の心配もないよとね」
しかし、メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフはベッテルに関心を持っていると示唆するコメントを何度か行っている。だが、それはこれまで4度F1チャンピオンとなったドイツ出身ドライバーに対する“リップサービス”に過ぎないと考えている者も少なくない。
かつてフェラーリでベッテルと一緒に仕事をしたこともあるメルセデスのジェームス・アリソン(テクニカルディレクター)も、ベッテルが2021年に自分たちのチームに加わることは「想像し難い」と語っている。
こうしたことからすれば、ベッテルが2021年にハミルトンのチームメートになる可能性はあまり高くはないと考えた方がいいかもしれない。
だが、ボッタスが2021年もメルセデスのシートを確保できるかどうかはまた別の問題だろう。
というのも、ヴォルフがチームの将来を見越してメルセデスのジュニアドライバーだったジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)をハミルトンのチームメートに抜擢する可能性もあるためだ。
ボッタスは、7月から無観客レースとして開幕する予定となっている2020年シーズンに集中し、そこでいい結果を残すことができれば自ずと自分の道も開けていくはずだと次のように付け加えている。
「僕は今シーズンに向けて心の中にはっきりとした目標を刻んでいるし、それだけだよ。何が起きようと、いずれにしても物事は自ずと落ち着くところに落ち着くものさ。僕はそのことに何のストレスも感じていないよ」