メルセデスの2021年のドライバーラインアップがどうなるのかという関心も高まりを見せているようだ。
2014年から2019年まで6年連続でF1タイトルを独占し続けている最強メルセデスだが、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの契約も今季までとなっている。
メルセデスに関しては、今季限りでフェラーリを離脱したセバスチャン・ベッテルが加入する可能性もあるとうわさされているものの、伝えられるところによればチームCEOのトト・ヴォルフは現在ウィリアムズに所属しているジョージ・ラッセルの方がハミルトンのチームメートにふさわしいと考えているようだ。
ともあれ、2017年からハミルトンのチームメートを務めてきたボッタスが2021年もメルセデスに残留できるかどうかがかなり不透明な状況となっているのは間違いないだろう。
こうした中、ボッタスのマネジャーを務めるディディエ・コトンが今年いっぱいでダニエル・リカルドが離脱することが決まったルノーと交渉を行っていると報じられている。
ルノーに関してはすでにベッテルにオファーを出しているとの情報もあるが、最近ではかつて2005年と2006年にF1タイトルを獲得したフェルナンド・アロンソが復帰するのではないかとのうわさもささやかれている。そして、これにボッタスの名前も加えられることになりそうだ。
一方、ミハエル・シューマッハが持つF1ドライバーズタイトル史上最多獲得回数(7回)にあとひとつと迫っている現F1チャンピオンのハミルトンの去就さえどうなるかは分からないと考えている者もいる。
スイス出身の元F1ドライバーであるマルク・スレールはドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語っている。
「ヴォルフが個人的に投資家としてアストンマーティンに関わっているのは偶然ではないかもしれないよ」
「ハミルトンも偉大なメルセデス時代が終わりを迎えようとしているのを感じているかもしれない。バジェットキャップ(チーム予算上限値)が導入されるだけにね。私は彼があらゆることを考えているのが想像できるよ」
「だが、もし彼が残るのであれば、彼はこのままボッタスを残留させようとするだろう。個人的意見だが、私ならジョージ・ラッセルを乗せるだろうね。ボッタスは最高のナンバー2だが、私は彼を将来のF1チャンピオンだとは見ていない」
「若いドライバーを育てるなら、いつの日かハミルトンのあとを継げる者を起用する必要がある」
また、かつてトヨタなどで活躍した元F1ドライバーのティモ・グロックは、2021年のドライバーラインアップ決定に時間をかけるメルセデスの姿勢に疑問を抱いているようだ。
「私は彼ら(メルセデス)が新たな契約を発表するのにどうしてこれほど長い時間を費やしているのか不思議に思っている」
そう語ったドイツ出身のグロックは次のように付け加えた。
「メルセデスはダイムラー(親会社)の動きにも目を向けることになるだろう。長期的に見れば彼らは全プロジェクトをやめてしまうかもしれないからね」
うわさによれば、ヴォルフはダイムラーからドイツ出身のベッテルと契約するようプレッシャーをかけられているのではないかとも言われている。
そのヴォルフにはダイムラー会長のオラ・シャレニウスとの関係があまりうまくいっていないとのうわさもあり、2021年にはメルセデスを離れてアストンマーティンのF1ワークス活動に関与するようになるのではないかとの憶測もささやかれていた。
現時点ではそれらのうわさを否定しているヴォルフだが、こうしたうわさの中でハミルトンやボッタスがどういう動きに出るのかにも注目が集まりそうだ。