フェルナンド・アロンソが2021年に古巣ルノーでF1復帰を果たす可能性が高まってきたと考えられている。
今週に入って、セバスチャン・ベッテルが今年限りでフェラーリを離脱し、その後任にカルロス・サインツ(現マクラーレン)が来季フェラーリに移籍、そしてそのサインツの代わりにダニエル・リカルド(現ルノー)がマクラーレンに移籍することが立て続けに発表された。
そして、そのリカルドの後任としてフェルナンド・アロンソが来季エステバン・オコンとともにルノーのF1マシンを駆ることになるのではないかとのうわさが強くささやかれるようになっており、アロンソとルノーはすでに合意に達していると報じているメディアもある。
そして、最近アロンソやマネジャーを務めるフラビオ・ブリアトーレがかつてルノーに在籍していた当時の写真をSNSに投稿していることもそれを裏付けるものだと考えている者も少なくないようだ。
しかし、スイス出身の元F1ドライバーであるマルク・スレールは『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語っている。
「私に言わせれば、アロンソはどんなクルマに乗ってもすぐに速さを示すことができるドライバーのひとりだ」
「だが、私は彼が復帰するとは思わないよ。彼はトップで走ることができるクルマを望んでいるはずだからね」
実際のところ、ルノーのワークスF1チームの進歩に期待して2019年にレッドブルからルノーに移籍したリカルドも実質的に1シーズンだけでルノーをあきらめて2021年にはマクラーレンへ移籍することを選んでいる。こうしたことからも、いくらアロンソとは言え、ルノーF1マシンですぐにトップ争いができるようになるとは思えない。
そのアロンソ自身もつい最近、2021年に予定されていた新技術ルールの導入が先送りされたこともあり、2021年のF1復帰の可能性はほぼなくなったと受け止められる発言を行っていた。
さらに、最近の報道によれば、ルノーではフェラーリ離脱が確定したベッテルに来季のオファーを出していると考えられている。
しかし、ベッテルに関してはメルセデスに移籍できない限りこのままF1を引退する可能性が高いとも考えられている。
こうした中、元F1ドライバーのミカ・サロは母国フィンランドのテレビ局『MTV』に次のように語った。
「オコンにうまく合うチームメートが誰なのかは本当に難しいね。だが、ルノーとしては経験者が欲しいところだろう」
経験という意味では、アロンソにしてもベッテルにしても申し分ないはずだ。
しかし、サロはもしもルノーがアロンソを選択するようなことがあれば、それは「驚き」だと次のように語っている。
「アロンソはこのスポーツから遠のいているし、新しいマシンに彼が適応できるかどうかは分からない」
「それがルノーにとってはリスクとなるが、メディア向けにはいい選択となるのは間違いないね」
一方、アロンソと同じスペイン出身の元F1ドライバーであり、2005年から現在に至るまでフェラーリのテストドライバーを務めているマルク・ジェネはアロンソのF1復帰は十分にありえると考えているようだ。
「私は特に何かを知っているわけではないが、アロンソは2021年に復帰することを望んでいるし、ルノーのようなチームで彼を見ることになると思っている」
スペインの『El Partidazo de Cope(エル・パルティダソ・デ・コペ)』にそう語ったジェネは次のように付け加えた。
「私の目には奇妙には映らないよ」
2001年にミナルディでF1デビューを飾ったアロンソは、2002年はルノーのテストドライバーを務め、翌2003年にフルタイムシートを獲得。2005年と2006年には2年連続でF1ドライバーの頂点に立った。
2007年にはマクラーレンに移籍するも、この年F1デビューを飾ったチームメートのルイス・ハミルトン(現メルセデス)やチームとの確執が生じ、1年で契約を解除し2008年には再びルノーへと舞い戻っている。
2010年にはフェラーリへ移籍するも目指していた3度目の王座には手が届かず、2015年にはマクラーレン・ホンダに移籍。しかし、ここではタイトル争いどころか表彰台すら狙うことができない状況に陥ってしまう。2018年にはルノーエンジンに載せ替えたマクラーレンで走るものの、その年限りでF1から身を引き、勝利が狙えるトップチームでのF1復帰を目指していた。
アロンソがかつて栄光の日々を送ったルノーにまた復帰するのかどうか、この話題にも大きな注目が集まるのは間違いないだろう。