新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミックにより、世界中のあらゆるスポーツイベントが中止を余儀なくされている。
F1もその例に漏れず、ここまでに開幕戦から第9戦までの延期あるいは中止がすでに確定している。
だが第10戦フランスGP(6月28日決勝)の主催者も、現在は延期も含めた「全てのシナリオ」を検討しているところだと認めている。
さらにシルバーストン・サーキットで開催が予定されている第12戦イギリスGP(7月19日決勝)も現実的には開催不可能だろうと考えられている。
元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーは母国ドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「シルバーストンの1週間前に予定されていたウィンブルドン(テニス)もすでにキャンセルされているんだからね」
「私は、今年の後半にはシーズンがスタートできるだろうと考えているし、ファンのためだけでなく、チームが生き残るためにもそうなることを強く願っているよ」
イタリア出身の元F1ドライバーであるエマニュエル・ピロも、新型コロナウイルスの状況が少し落ち着けばF1レース開始も可能だろうとフランスの『L’Equipe(レキップ)』に次のように語っている。
「グランプリ週末を3日ではなく2日で行うことは可能だし、1000人もの運営スタッフも必要ではないだろう」
だが、1989年から1991年にかけてベネトンやスクーデリア・イタリアで合計37戦を戦った経歴を持つピロは、現在の状況はF1が今後長期的に健全に運営できるように体質改善を行うチャンスだとも考えている。
「毎年新車を製造しなくてもいいF1にすることはできるはずだよ。それに、今はどうして昔のようにほかのチームにシャシーを売ることができないのかも理解できない」
「現在は小規模チームでさえ新車を製造しなくてはならないし、結局シーズンが終わればそれはゴミになるだけなんだ」
そう語った58歳のピロは次のように付け加えた。
「今の状況は、独善的なルールを見直し、より実現可能でとっつきやすいF1に変えていこうという動きを促してくれるんじゃないかな」