前FIA(国際自動車連盟)会長のマックス・モズレーが、2020年のF1シーズンはすべてキャンセルするべきだと発言した。
すでに、前F1最高責任者であるバーニー・エクレストンも世界中が新型コロナウイルスCOVID-19の脅威にさらされている今、F1は今季の活動をすべて停止すべきだとの考えを示している。
そして、1993年から2009年までFIA会長を務めたモズレーもかつて共にF1運営に携わってきたエクレストンと同じ意見を持っているようだ。
「2020年シーズンはキャンセルされるべきだ」
今月13日(月)に80歳になったばかりのモズレーは『DPA通信』にそう語ると次のように続けた。
「そうすれば、レース主催者たちは計画を立て、対策を練るための安心感を得ることができる」
「現時点では、彼らは宙ぶらりんの状態であり、その多くが金を失いつつある。このまま静観を続ければ、何かを得られるという確証のないまま状況をさらに悪化させるリスクを負うことになる」
モズレーはさらに、最近可能性が示唆されている無観客レースの実施は有効な対策とはならないだろうとも発言している。
「それはほとんどのレース主催者たちを財政難に陥れてしまうだろう」
「レース週末を短くし、ひとつのサーキットで複数のレースを開催することもコスト面から見れば小さな影響があるだろう」
「7月にレースを開始できるという保証は何もないし、実際のところその可能性はどんどん小さくなりつつある」
「だから、FIAとF1オーナーは将来に向けてもっと堅実な財政基盤を備えるために今がF1を再編し再構築するチャンスだととらえて行動に移す方がずっとよいことなんだ」
そう語ったモズレーは次のように付け加えた。
「このパンデミックがどう進展するかが分かるまで、我々にはF1のために理にかなった計画を立てることはできないよ」
モズレーはさらに、2021年のバジェットキャップ(チーム予算上限値)を引き下げることに意味があるかどうかは疑問だとしている。
「不平等という問題はそれでは解決することはできないよ。なぜならほとんどの小規模チームにとって、提案されている予算は手が届かないものだからね」
FIA会長時代にもF1のコスト削減を強引に進めようとしていたことでも知られるモズレーはそう語ると次のように付け加えている。
「それに、提案された(バジェットキャップ)ルールには例外が多すぎるよ」