新型コロナウイルスの大流行により、現時点では世界中でスポーツイベントが自粛を余儀なくされる状態となっている。
F1もその例に漏れず、すでに開幕戦から第8戦までの延期もしくは中止が決定しており、その後のレースについても開催できる見通しは立っていない。
アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、2020年のF1がいつ開催できると思うかと質問されると「分からない」と答え、次のように続けた。
「もちろん、我々はまたレースがしたいと思っている。それが我々の命だからね。だが、誰にとっても最優先なのは安全だと思う」
「健康を損ねる可能性があるときには、3000人もの人たちが国から国へと旅をするのは避けることになる。だが、そうできるようになり次第、可能な限り早く自分たちが情熱を注いでいる仕事に復帰することができるよう期待しているよ」
「だが、この伝染病は世界のどの部分でも同じ段階にあるわけではない。だから、それが終息を迎えても、どれだけすぐに普通の社会生活を送ることができるようになるのかは分からないよ」
「レースでは10万人を超える人たちが同じ日に同じ場所に集まることになる。だから、音楽よりも速く進めることはできないと思う。我々は自分たちがやることで大きなリスクを負うわけにはいかない。我々はただ、再び始めるための準備をしておかなくてはならないだけだ」
そう語ったバスールだが、現在の危機的状況はF1にとって明るい面もあると考えているようだ。
「正直なところ、この危機は人々にとっても経済にとっても大変なドラマであることは確かだが、これによってこれまでとは違う形での団結も生まれている」
そう述べたバスールは次のように付け加えた。
「例えば、F1では、技術レギュレーションの概念に関して何年も費やしてきたが、ここで合意に至ることができたんだ」