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【F1】新型コロナウイルス、ホンダF1の対策は?

2020年02月27日(木)22:26 pm

日本で感染拡大中の新型コロナウイルス(COVID-19)だが、開催延期を決めたF1中国GPに続き、各国もその対応を日々検討している。日本でも各スポーツや音楽イベントが中止を決めている中、鈴鹿サーキットでも毎年開催してきた人気イベント「モースポフェス2020 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」の開催中止を発表している。

■F1パドックや街中でも警戒

今年から新たに開催予定のF1ベトナムGPは「開催する」意向を示していたが、F1合同テストが行われているバルセロナ・カタルーニャサーキットのパドックでは、「ベトナムGPは開催しないだろう」という見解を示す関係者も多い。また、パドック内でもマクラーレンは中国人お断りとしており、非常事態体制だ。

今回、TopNews取材班もF1合同テストに参加し、空港やタクシー、レストランなどあらゆるところで「どこから来たの?中国人?」と、今まで一度も聞かれたことのない質問を受けることが何度もあった。現在世界各国で感染者が増えている中、どこの国の人だから危険・安全と言い切れない状況だ。実際、イタリアでも感染により10人以上が亡くなっており、11の自治体が封鎖されている。

■ホンダF1に影響も?

世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大している状況だが、ホンダのF1活動にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

27日には安倍総理が全国の小中高校や特別支援学校を3月2日(月)から休校とするよう要請すると表明。民間企業にも「休みがとりやすくなる環境を」と理解を求めており、ホンダもF1活動について対応を迫られそうだ。

山本雅史氏(Honda F1 マネージングディレクター)は、状況を注意深く見守っているとし、F1が開催するのであれば、F1開幕戦オーストラリアGPに日本在住のスタッフが行けるように、飛行機の経由地の変更や、15日以上前(発症まで14日)には出国させる、または日本に帰国しないでヨーロッパから直接オーストラリアへ行くなど様々な「対応を検討」しているというが、そのヨーロッパでも対応が刻々と変化している。

ホンダF1を含め、本来はF1開幕戦での勝利に向けて集中しなければならない時期だが、こうした状況にスタッフの健康を第一に考えるチームが多い事も事実だ。

■F1が開催できなくなる可能性も

日本では予防のため当たり前のようにマスク姿を見かけるが、海外ではマスクをする習慣がなく、こうした状況でもマスク姿を見かけることはない。

世界中から人が集まるF1のパドックやメディアセンターは、人が密集しており、マスクを日常的にして予防している日本人の感覚からすると、ヨーロッパは無防備とも思える。もしパドック内に一人でも感染者がいれば、一気に感染者が増える恐れがあり、もしそうなるとF1自体が開催できなくなる可能性も否定できない。

田辺豊治氏(Honda F1テクニカルディレクター)によると、F1では「朝7時頃から夜遅くまで作業が及ぶ」こともあり、朝から晩までパドック内を何往復もして働いていると疲労は蓄積し、さらに睡眠時間が短くなると「免疫力も落ちてしまうため注意が必要」とのことだ。

田辺TDは取材中「あ、皆さん日本から来ましたよね?今後の取材は2m離れてアクリル板越しでお願いします。もう取材受けた後なので遅いですけどね(笑)」と緊迫した空気を和ませてくれた。

しかし、取材終了後の別れ際「もし体調不良になったらすぐ連絡してくださいね。ホンダ内でも情報共有しているのでお願いします」と現場責任者として健康管理と危機管理を強く意識し、分単位で決められている次のミーティングへと向かって行った。取材開始時間は20時30分からで、時間はすでに21時前だった。

F1開幕戦オーストラリアGPまで約2週間。ホンダF1のみならず、F1としても決断を迫られている。状況を見守ろう。

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