レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、2020年シーズンに王者メルセデスにとって最大のライバルとなるのは自分たちレッドブル・ホンダだと考えている。
レッドブルとそのジュニアチームであるアルファタウリのドライバー責任者としても知られるマルコは、26日(水)からバルセロナで始まる2回目のプレシーズンテストを前にドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「本当の様相が見えてくるのは今週だよ」
「我々はメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)バージョンを金曜日(28日)に走らせることにしているが、他のチームたちも同じことをするだろうと予想している。だが、私は我々がメルセデスにとって第一の挑戦者だと確信しているよ」
「フェラーリはすでに燃料をたくさん積み、エンジンパワーを抑えたセッティングで多くの周回をこなしている。だが、セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールの発言から分かるのは、彼らは第1週目のテストでは望んでいたようなところにまでは至っていなかったということだ」
マルコはさらに、レッドブル・ホンダとメルセデスの差はほんのコンマ2秒ほどだと語り、次のように付け加えている。
「彼らがああいうタイムを出せるのはきついコーナーでもアンダーステアを生じないからだ。彼らはDASでそれをやっているんだ」
マルコが言及したDASとはメルセデスが2020年型車に搭載した革新的ステアリングシステムのことだ。
ステアリングを前後に動かすことでフロントタイヤのトー角を調整できるメルセデスのDASが先週のテストでライバルチームたちに衝撃を与えたのは確かだ。
「信じがたいよ」
そう語ったルノーのダニエル・リカルドは次のように付け加えた。
「こういうことを考え出すのは、これまで最強の位置を独占してきたチームではなく、彼らの後塵を拝してきたチームだと普通は思うものだよ」
しかし、メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、自分たちにはもっと大胆になることが必要だったのだと主張している。
「これまでの古いクルマの開発を続けたほうがいいだろうという強い誘惑があったよ。だが、我々は保守的なアプローチでは十分ではないということを理解していたんだ」
先週末に52歳になったばかりのアリソンはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ると次のように付け加えた。
「だから、優れた手法を用いた攻撃的なクルマを造ることにしたのさ」