かつてロシア人F1ドライバーのマネジャーを務めていたオクサナ・コサチェンコが、2021年にアストンマーティンと名前を変えるチームが強さを発揮できるとは思えないと語った。
ロシア人初のF1ドライバーとして2010年にルノーからF1デビューを飾ったビタリー・ペトロフのマネジャーを務め、一時期はケータハムのコマーシャルディレクターを務めていたことでも知られるコサチェンコは、レーシングポイントが2021年にアストンマーティンと名前が変わったところでそれほどの活躍は期待できないだろうと考えているようだ。
「多分、そのうち、アストンマーティンが本当にF1を続けたいと思うのかどうかが分かるでしょうね」
母国ロシアの『Sportbox(スポルトボックス)』にそう語ったコサチェンコは次のように続けた。
「ですが、私は自分を懐疑論者だと思っていますし、今回の状況は、父親が息子にファクトリーチームの一員となる機会を買い与えることで息子の欲求を満たそうとしているだけだと思っています」
コサチェンコが指摘したように、今回アストンマーティンを最終的には6億ドル(約660億円)に及ぶだろうと伝えられている額で買収することになったカナダ人ビジネスマンのローレンス・ストロールはレーシングポイントのオーナーであり、そのチームでドライバーを勤めているランス・ストロールの父親だ。
ローレンスは息子のレーシングキャリアのために以前から大金を注ぎ込んできており、ランスがウィリアムズに所属していたときにはポケットマネーでサーキットを借り切ってテスト走行をさせるなど、ほかのドライバーたちからすればうらやましい限りの支援をしてきたことで知られている。
コサチェンコは次のように続けた。
「私は、ローレンス・ストロールが自動車産業やモータースポーツにそれほど先見の明を持つ起業家なのか、そしてランスがキャリアを追えた後もずっとこのプロジェクトを発展させ続けるつもりなのかどうかについては首をかしげざるを得ません」
一方、中国で発生した新コロナウイルス問題の影響が及びつつあるF1界だが、いよいよ来週からは各チームが2020年型マシンを次々に発表する予定になっている。
そのことについて質問された53歳のコサチェンコは次のように答えている。
「私はクルマのプレゼンテーションには何も期待はしていません。これらはPRのためのイベントですからね」
「興味の対象となるのはテストです」
19日(水)から2週にわたって合計6日間で行われるプレシーズンテストに言及したコサチェンコは次のように付け加えた。
「今年は2チームか3チーム以上でのバトルが見たいと思っています。ですが、それはもう少し待つ必要があるかもしれませんね。と言うのも、彼らのほとんどがすでに2021年に向けた作業に入っていますからね」