ベトナム国内ではF1への関心が高まりを見せている。
そう主張したのは今年初開催されるF1ベトナムGPの主催責任者であるレ・グォク・チーだ。
2020年のF1は例年通りオーストリアのメルボルンで行われるオーストラリアGPで開幕し、その1週間後にはすぐに第2戦バーレーンGPが開催される。
そして、初開催のベトナムGPはそれらに次ぐ第3戦として首都ハノイに設けられた市街地コースで4月5日に決勝が行われることになっている。
しかし、ベトナムに本当にF1レースを開催するための条件が整っているのかどうかをいぶかしがる声があるのも事実だ。そして、実際のところ、開催まであと2か月を切った時点においてまだ相当数のチケットが売れ残っているようだ。
レース主催会社の女性CEOであるレ・グォク・チーもオランダの『F1Maximaal(F1マクシマール)』に対し、ベトナムで最初からF1気運が盛り上がっていたわけではないと認め、次のように語った。
「このコンセプトをベトナムの人たちに紹介するのには時間と努力が必要でした」
「ほとんどの人たちはまだファンではありませんし、もっと熱心に頑張る必要があります。ですが、私たちの国内でのプロモーションやマーケティングには手応えを感じていると言うことができます」
「このイベントへの興味は増しています。チケットの売れ行きも日に日に増えています。まだすべてのシートが埋まっているわけではありませんが。私たちのキャンペーンによってチケット販売数も増えていますが、満席にするためにはもっと宣伝が必要です」
だが、レ・グォク・チーは、ハノイ市街地サーキットの観客席を埋めるために海外からの観戦者を増やそうとするのではなく、ベトナム国内でレースを見に行こうという気運を高めることに焦点を合わせているのだと語り、次のように続けた。
「長期的にここでF1を続けたいと思うのであれば、ベトナム人のファンが重要になります」
「情熱的で熱心なファン層が自分たちの国にあればこのイベントもさらに活性化できますし、最終的には海外のF1ファンにとっても一層魅力的なものになるでしょう」
レ・グォク・チーによれば、4月のレース開催に向けた準備は計画通りに進んでいるようだ。
「現時点では予定を前倒しすることができていますし、それはいいニュースです。グランプリ開催に必要なことはほとんどやり終えたと思っています。ピットビルディングも準備できましたし、サーキットもほぼ完成しています」
そう語ったレ・グォク・チーは、ピットビルディングはとりわけ目を引くものになるだろうと次のように付け加えた。
「私たちは3階建ての美しい建物を建設しました。そのデザインは実のところ有名な観光名所であるタンロン遺跡をベースにしているんです」