昨シーズン限りでルノーのシートを失ったニコ・ヒュルケンベルグだが、このまま完全にF1から引退してしまうつもりはないようだ。
2010年にウィリアムズでF1デビューを飾ったヒュルケンベルグだが、翌年は巨額のスポンサーマネーを持ち込んだパストール・マルドナードにシートを奪われ、1年間浪人生活を送った経験を持っている。
しかし、2012年にフォース・インディアでF1復帰を果たしたヒュルケンベルグは、以降ザウバーやルノーに乗り換えながら8年連続でF1の表舞台に立っていた。
しかし、ルノーは今季メルセデスの支援を受けるエステバン・オコンの起用を決断。ヒュルケンベルグは他チームへの移籍もならず、今季のF1グリッドに並ぶチャンスは消えてしまった。
ヒュルケンベルグと同じドイツ出身のセバスチャン・ベッテルはヒュルケンベルグのシート喪失に関し、「実力よりも金が決定的な要素となることがある」のは不公平だとコメントしている」
ヒュルケンベルグはそのベッテルのコメントに関し、ドイツの『DPA通信』に「そういう風な声を聞くのはうれしいものだよ」と語りつつも、まだ何も計画がない状況で2020年を迎えることで気落ちなどはしていないと次のように続けた。
「現時点では、想像していたほど辛い状況ではないよ」
「多分、10年やってきた後で休みをとるのは全く悪いことじゃないと思うよ。とりわけ、2019年のような困難な年の後ではね。最終的に何が幸いするか誰にも分からないしね」
実際のところ、ヒュルケンベルグは自分が再びF1グリッドに並ぶチャンスが全くないとは考えていないようだ。
「現時点でひとつだけ確かなことは、2020年の最初のレースで僕がクルマに乗ることはないということさ」
そう語った32歳のヒュルケンベルグは次のように付け加えた。
「今後に向けて具体的なことは何も決まっていないよ。だけど、どういう結果が待っているのか様子を見ていく必要がある。僕が影響を及ぼすことができないことだってあるからね」