ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がレース中に見せる攻撃的姿勢は「愚かだ」と批判した。
●【決勝レース結果】2019年F1第18戦メキシコGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
先週末に行われた今季のF1第18戦メキシコGPでは、予選でフェルスタッペンがポールポジションを獲得したものの、最終コーナーでバルテリ・ボッタス(メルセデス)がクラッシュしたことによる黄旗を無視したことにより、決勝では3グリッド降格ペナルティーを受けてしまった。
フェルスタッペンは予選後にボッタスのクラッシュには気付いていたものの自分はアクセルを緩めなかったとコメントしたが、ハミルトンはこうしたフェルスタッペンの行為に対して批判的なコメントを行っている。
それに対し、フェルスタッペンはあのときボッタスの後ろを走行していたハミルトンも同じようにペナルティーを受けて然るべきだったと応酬していた。
その2人が日曜日に行われた決勝のスタート直後にコース上で交錯し、両者ともにコースオフを喫するというアクシデントが発生。ハミルトンは2つ順位を落とすにとどまったが、フェルスタッペンは9番手にまで下がってしまっていた。
そして、そこからのばん回を狙ったフェルスタッペンはすぐにトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトをオーバーテイクすると、スタジアムセクションに入ったところでボッタスを強引にオーバーテイク。ここで両者が接触し、フェルスタッペンは右リアタイヤをバーストさせてしまい最後尾にまで順位を落としてしまった。
ハミルトンは、そうしたフェルスタッペンの走りについて次のように語った。
「どのドライバーにもわずかな違いがあるんだ。賢く攻撃する者もいれば、愚かなやり方をする者もいるよ」
「マックスに関しては、もし彼に余分なスペースを与えなければ、彼とからんでしまう可能性がすごく高いんだ。ああいうときの彼は磁石みたいなものさ」
メキシコGP決勝ではハミルトンに逆転を許して2位に終わったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)も同じ意見のようだ。ベッテルはフェルスタッペンに関してはハミルトンのコメントを「コピペするよ」と語っている。
だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは当然ながらフェルスタッペンを次のように擁護している。
「私に言わせれば、激しいレースをしただけさ。あれがうまくいく日もあれば、そうはならない日もあるということなんだ。私はマックスが特に何か間違ったことをしたとは思っていないよ」
ともあれ、メキシコGPで今季10勝目を飾ったハミルトンは、いよいよ次戦アメリカGP(11月3日決勝)で今季のF1ドライバーズタイトルを手中に収めることがほぼ確実なところまできている。
メキシコGPを終えて残り3レースとなった時点で、ハミルトン以外に唯一タイトル獲得の可能性を残すボッタスとハミルトンの差は74ポイントに開いている。
これにより次戦アメリカGPでハミルトンが8位以上でフィニッシュすれば、ボッタスが優勝してもそこでハミルトンのタイトル獲得が確定することになる。タイトル確定がブラジルGPに持ち越される条件はボッタスが優勝し、ハミルトンが9位以下で終わったときだけだ。
そのことについて質問を受けたハミルトンは微笑みを浮かべながら「待つのは気にならないよ。僕はレースが大好きだし、1レース1レースを戦うだけだからね」と答えた。