ルノーF1チームのドライバーたちが第17戦日本GPのレースに対して失格処分が下されたことに対して多くを語ろうとはしなかった。これは、ルノーがドライバーたちに対してかん口令をしいたものだと考えられているようだ。
●【正式結果】2019年F1第17戦日本GP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
日本GPが行われた鈴鹿サーキットにおいて、ライバルチームであるレーシングポイントがルノーが違法なブレーキバランスシステムを用いているとの申し立てを行い、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は最終的にその主張を認め、ルノーに対して日本GPの失格処分を申し渡した。
今回違法と認定されたルノーのシステムは、ステアリングに設けられたディスプレイを用いてコーナーごとにどのブレーキバランスをセットするかをドライバーたちに知らせるものだったことが明らかとなっている。
今回の一件で微妙なのは、このシステムは現在のF1技術レギュレーションには違反しないと認定されたものの、競技ルールにおいて禁止されているドライバーエイド(ドライバーの運転支援)にあたるものだと判定されたことだろう。
レーシングポイントが最初にルノーのシステムに疑惑の目を向けたのは2月にバルセロナで行われたシーズン前テストにおいてダニエル・リカルドのオンボードカメラ映像を見たときだったと言われているが、FIAの公式文書によれば、レーシングポイントに対して今回の疑惑に関する情報を提供したのはルノーの「元従業員」だったという。
この件について今季のF1第18戦メキシコGP(27日決勝)が行われるエルマノス・ロドリゲス・サーキットで質問を受けたニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)は次のように答えている。
「それがサーキット上での僕たちの競争力に大きな影響を及ぼすようなものだったとは考えていないんだ。だからそれに関してはあまり言うことはないよ」
そしてダニエル・リカルド(ルノー)も、ルノーに必要なのは前を向くことだけだと語ったと伝えられている。
ルノーでは今回の失格処分に対して控訴を行うことを断念したことが明らかとなっているものの、自分たちのF1マシンに施されたブレーキバランス表示システムは「完全に合法であり革新的なものだ」としている。
ルノーのスポーティングディレクターを務めるアラン・パーメインは今回のFIAの裁定について次のように主張した。
「もしこれが基準になるとすれば、ドライバーに与えられるタイヤ温度やそのほかのことすべてがドライバーエイドだということになってしまうよ」
だが、ライバルたちの見方は違うようだ。
昨年はルノーに所属していたマクラーレンのカルロス・サインツはこの件についての意見を求めらると次のように答えている。
「僕はルノーが使っているものを試したことがないから分からないよ。だけど、基本的にはそれによってアドバンテージが得られるだろうね」