ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、このままでは2019年のF1タイトルを取り逃す可能性もあると警鐘を鳴らした。
実際のところ、今季通算6回目となるF1ドライバーズタイトル獲得を狙うハミルトンは現在までに296ポイントを獲得してランキングトップに立っている。
2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)とは65ポイント差、3番手4番手に同じ200ポイントで並んでいるシャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とは96ポイントも差がついている。
残りは6戦しかないということを考えれば、ハミルトンがタイトルを逃す可能性は非常に小さいと考えて当然だろう。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフは、ハミルトンがライバルチームとの間に築いた100ポイント近い差に言及しながら次のように語った。
「それは4レースでの勝利に相当するものだ。それほどのアドバンテージを台無しにするような愚かなまねは許されないよ」
だが、メルセデスにとっての最大の懸念は、フェラーリの大幅なパフォーマンスアップだ。
シーズン前半は1勝もできなかったフェラーリだが、夏休みが明けると第13戦ベルギーGP、第14戦イタリアGP、第15戦シンガポールGPと3連勝を達成。シンガポールこそポールシッターと勝者が入れ替わったものの、チームとして見れば3戦連続でポールポジションと優勝を独占しているのだ。
しかも、フェラーリにとっては苦手なサーキットだろうと考えられていた低速コーナーが多いシンガポールでフェラーリに1-2フィニッシュを許したということは、残された6戦すべてでフェラーリが最強チームとなる可能性も否定はできない。
「僕たちの方がいい仕事をしていなくてはならないんだ」
そう語った34歳のハミルトンは次のように続けた。
「今年序盤は僕たちが非常に素晴らしい仕事をした。だけど、僕が持つポイント差が消えてしまう可能性もあるということははっきりと認識しているよ」
「まずは、気を引き締めて、とにかくうまくやっていく必要がある」
今週末には2週連続で第16戦ロシアGPが開催されるが、メルセデスとしては2014年にソチ・オートドロームでF1が初開催されて以来ここまで一度もライバルチームに勝利を譲ったことがない験のいいサーキットだけに、ここでフェラーリとの差をまた広げておきたいところだ。
しかし、現在ランキング2番手につけているボッタスは、ソチでもフェラーリが予想以上の強さを示す可能性は否定できないと次のように語った。
「ソチもまたフェラーリのためのサーキットになる可能性はあるよ」