レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとしてはF1がこれから夏休みに入るのがあまりうれしくはないようだ。
夏休み前最後のレースだった先週末のF1ハンガリーGPを終え、F1チームやドライバーたちは今週から3週間にわたる夏休みを迎えることになる。そのうちの2週間はファクトリーなどでの作業も一切行うことができないというルールになっており、仕事に関係するメールのやりとりさえ禁止されることになる。
だが、直近の4レースで優勝2回、2位1回、ポールポジション1回と波に乗るフェルスタッペンとしては、このままレースを続けたいというのが本音のようだ。
「現場から離れて休みをとることができるのはうれしいものだよ。だけど、僕としては本当に休みを楽しみにしているって感じじゃないんだ」
今週ファンサービスのイベントに参加していたフェルスタッペンは母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』にそう語ると次のように付け加えた。
「僕はハンガリーで父に言ったんだ。これからすぐにまた4レースあっても僕は楽に続けられるよってね。いい流れに乗っているところだけに、本当にそういう気持ちなんだ」
■フェルスタッペンにタイトル獲得のチャンスは?
現在250ポイントを稼いでランキングトップに位置しているルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルスタッペンの差は現在69ポイントと決して小さくはない。だが、ここ数レースで目立って勢いが増してきているフェルスタッペンが今季のドライバーズタイトル争いに絡んでくるだろうと考えている者も少なくない。
1998年から2年連続でF1チャンピオンとなった経験を持つ元F1ドライバーのミカ・ハッキネンは『Unibet(ユニベット)』のコラムに次のように書いている。
「レッドブルとホンダは今後も彼らのクルマの開発を続けていくだろうし、メルセデスももはや当然のごとく支配を続けることはできないだろう」
ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーもテレビ局『RTL』に次のようにコメントしている。
「勝とうが負けようが、フルスロットルで走っているときでさえ彼(フェルスタッペン)は冷静を保っている。彼の心理的な安定度はものすごく高くなっているよ」
「中期的に見て、ハミルトンを脅かすことができるのはフェルスタッペンただ1人だ」
■現実的には可能性は小さいとレッドブルのボス
だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ハミルトンがとてつもない大失敗を何度かやらかすようなことがない限り、今季のタイトルをとり損なうようなことはないだろうと考えている。
フェルスタッペン自身もハミルトンに逆転を許して2位に終わったハンガリーGP後に、今でもメルセデスが最強であることに変わりはないとコメントしている。
そのフェルスタッペンは今季2勝をあげ、現時点でランキング3番手に位置していることからうわさされていた契約解除条項を行使することなく、少なくとも2020年まではレッドブルで走ることが確定している。
シーズン前半を振り返って「僕たちはいくつかすごくエキサイティングないいレースができた」と語ったフェルスタッペンがシーズン後半もその勢いをさらに強めていくことができれば今年のF1選手権がさらに面白くなるのは間違いない。