F1イギリスGP(シルバーストーン・サーキット)決勝レースを終え、F1公式タイヤのピレリが次のように振り返った。
■ピレリ:決勝レースレポート
メルセデスのルイス・ハミルトンが、スリリングなF1イギリスGPを制し、同グランプリ6度目の優勝を達成した。ハミルトンは、レース中盤のセーフティーカー導入周回中、ミディアムからハードへ交換し、当初の予定とは異なる1ストップ戦略を採った。
トップ3で唯一の1ストッパーだったハミルトンは、2位を20秒以上引き離し、ファイナルラップでファステストラップレコードを更新した。レース全般を通じて、各P Zeroコンパウンドは非常に良く機能していた。
【キーポイント】
●トップ5で4種類の戦略が見られ、52周のレースで広範囲に渡る戦略が展開された。
●トップ10グリッド中、メルセデスとレッドブルの4台がミディアムタイヤでスタート。メルセデスは1位と2位を、レッドブルは4位と5位を獲得した。
●ソフトタイヤでスタートしたドライバー中の最上位は、3位を獲得したフェラーリのシャルル・ルクレールだった。
●セーフティーカー導入がターニングポイントとなった。メルセデスのバルテリ・ボッタスを除く上位勢が、このタイミングを活かしてピットストップを行った。
●レース中、ドライでクールなコンディションが続き、過去2日間とは異なり、雨は全く降らなかった。
【各コンパウンドのパフォーマンス】
●ハードC1:驚くべきことに、32周も走行済みの2019年型P Zeroレンジの中で最も硬いハードコンパウンドが、ファイナルラップにラップレコードを3.3秒も短縮した。
●ミディアムC2:ミディアムでのスタートが勝利戦略となった。さらに、優勝ドライバーを含む6名が、ミディアムを使用した1ストップ戦略を実行した。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ミディアムでスタート後、2ストップ戦略で5位を獲得。ボッタスも、ミディアムでスタートした2ストッパーだった。
●ソフトC3:ボッタスとレーシング・ポイントの両ドライバーのみが、ソフトタイヤでフィニッシュ。オープニングスティントでは、多くのドライバーがソフトを使用した。
■ピレリ・カーレーシング責任者マリオ・イゾラのコメント
「今日の素晴らしいレースで、全3種類のコンパウンドは、それぞれ重要な役割を演じました。
最も注目すべきパフォーマンスは、ハードタイヤを使用したルイス・ハミルトンによるものだと思います。ハミルトンは、既に32周を走行したタイヤで、ファイナルラップでファステストラップを更新しました。しかも、4Gを超える負荷を課すコーナーが存在する、シーズン中屈指の厳しいサーキットにおいてです。
終始、アクション満載の接戦が展開された、レベルの高いレースが見られました。セーフティーカーがレースの決定的な要素となりました。多くのドライバーが、この機を活かしてピットストップを行い、レースの様相が変わりました。セーフティーカー導入周回中にミディアムからハードへ交換したハミルトンの決断は、優勝の鍵となりました。
我々は、レッドブルとウィリアムズとともにシルバーストンに留まり、2020年型コンパウンド開発の2日間テストに臨みます」