フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、現在厳しい状況に置かれているセバスチャン・ベッテルを擁護した。
2015年にレッドブルからフェラーリに移籍したベッテルだが、当初はフェラーリの救世主になるのではないかとさえ言われていたものの、F1タイトルには手が届かないまま今年で5年目を迎えている。
そして、メルセデスと対等に戦えるF1マシンを手にしたと考えられていた2018年シーズンは序盤こそルイス・ハミルトンと接戦を繰り広げていたものの、自らのミスもあって中盤から失速。
今年はキミ・ライコネン(現アルファロメオ)に代わって新たなチームメートとなった21歳のシャルル・ルクレールに負けることもあり、フェラーリの母国イタリアのメディアを中心にベッテルに対する風当たりも強くなってきている。
今月3日に32歳の誕生日を迎えたベッテルだが、最近では今季限りでF1を引退するのではないかとか、来季は古巣レッドブルに復帰することを考えているのではないかといったうわさもささやかれるようになっている。
そして、フェラーリはもはやベッテルを諦めてルクレールをナンバー1に据え、来季はバルテリ・ボッタス(メルセデス)のようなドライバーと組ませる方がいいというような論評を行っているメディアもある。
だが、ビノットはこのほどベッテルのミスについてドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語っている。
「それはレースにおいて常にセバスチャンが限界ギリギリまで攻めており、ときにはそれを少し超えてしまうという状況にあったからだ」
ビノットはさらに、フェラーリとベッテルは最終的には打倒メルセデスを目標に掲げており、ベッテルもそれに向けてハードに攻めているのだと語り、次のように続けた。
「それが彼にとって簡単なことでないのは明らかだし、それに疑問の余地はない」
「彼はフェラーリでF1チャンピオンになることを夢見ているし、我々もその実現に向けて彼をサポートしている」
現在フェラーリのチーム代表と技術責任者を兼務する形となっているビノットは次のように付け加えている。
「彼は多くの経験、専門知識、能力を有している。チームプレイヤーとしても、大きな情熱を抱いて仕事に臨むリーダーとしてもね」