レッドブル首脳が、不振が続くピエール・ガスリーを今シーズン中に降ろすつもりはないと改めて明言した。
昨年限りでレッドブルを離脱してルノーへ移籍したダニエル・リカルドの後任としてジュニアチームのトロロッソからレッドブルに抜擢されたフランス人ドライバーのガスリーだが、ここまでのところチームの期待に応えるまでの活躍を見せることができていない。
■クビアトとの入れ替えもあり得るとトロロッソのボス
昨年ガスリーをフルシーズンにわたって見てきていたトロロッソのチーム代表フランツ・トストはドイツのポッドキャスト『meinsportpodcast』に対し、ダニール・クビアト(トロロッソ)とガスリーを交代させるのも悪い考えではないだろうと示唆し、次のように付け加えている。
「彼を(トロロッソに)戻したからといってレッドブルのメンツがつぶれるようなことはないと思っているよ」
■ガスリーをサポートし続けるとマルコ
だが、レッドブルとトロロッソのドライバー育成責任者として知られるヘルムート・マルコは、レッドブルは今後もガスリーが調子を上げていけるよう支援し続けていくつもりだと主張している。
「彼はチームと共に懸命に取り組んでいるよ。だから彼が今日もシミュレーター作業を行っており、ここには来ていないよ」
今週末のF1オーストリアGP(30日決勝)を前にグラーツで行われた宣伝イベント会場においてそう語ったマルコは次のように続けた。
「我々としては彼を替えるつもりはない。ガスリーは若いレースエンジニアと一緒にやっているが、それがうまくいっていないのは確かだ。そして彼はバルセロナ(プレシーズンテスト)で2回クラッシュしたことでかなり自信を失ってしまった」
「しかし、彼もいくつか強いレースをしてみせている。我々も彼を前進させるために一緒に取り組んでいくつもりだ」
■数レースのうちに改善が求められるガスリー
とは言え、マルコは2020年にナンバー1ドライバーであるマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めるドライバーに関しては今年の「9月もしくは10月」に決めることになるだろうとも語っている。
つまり、ガスリーとしてはそれまでの数レースでなんとかフェルスタッペンとのパフォーマンス差を縮めていかなければ、今季限りでレッドブルのシートを失う可能性が高くなってしまいそうだ。
■ベッテルにレッドブル復帰の可能性も?
一方、すでにメディアの中には2020年にはかつて2014年まで在籍していたセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)のレッドブル復帰もあり得るのではないかとの推測を行っているものもある。
フェラーリで思うような活躍ができていないベッテルが2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得した古巣レッドブルに復帰するというのは決してあり得ないシナリオではないかもしれない。
こうした推測について質問されたマルコは、「みんなも知っている通り、F1では不可能なことは何もない」と答えると次のように付け加えた。
「だが、セバスチャンには2020年もフェラーリとの契約があるよ」