2021年以降のF1マシンは見た目があまりよくないものになるかもしれないと報じられている。
F1統括団体であるFIA、F1オーナー、各F1チームの間に結ばれている現在のコンコルド協定は2020年に満期を迎えることになっており、現在2021年以降に適用される新協定締結に向けて技術ルール、競技ルール、財政関連ルールに関する話し合いが行われている。
本来、2021年以降のルールに関しては今年の6月までに確定させることになっていたが、F1オーナーのリバティ・メディアはもっと時間をかける必要があるとの判断のもと、その期限を10月末までに延期している。
昨年、F1は2021年以降のF1マシンの予測画像を公開したが、そのマシンはかなり「未来的」なデザインが施されたものだった。
だが、これまでの話し合いにより固まりつつある技術ルールに則った場合、F1マシンの形状があまり見栄えのしないものになるのではないかとの懸念があるようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、あるF1関係者が次のように語ったと報じている。
「大型のインディカーのような感じだよ」
「それによって(F1が)ターゲットにしている20~25歳という年齢層にアピールできるとは想像できない。最初に示された革新的な取り組み方は姿を消しているよ」
「コンピューターゲームのクルマの方が現実のものよりも見栄えがいいよ」
2021年以降のF1マシンに関しては他にも懸念があるようだ。それは現行マシンよりもさらに重量が増加するとともに、ギアボックスのデザインに関しては5年間凍結されることになる予定だからだ。
「我々のギアボックス担当者たちをどうすればいいと言うんだい?」
そう語った別の関係者は次のように付け加えている。
「彼らを解雇するようなことはできないよ。5年たてばまた彼らが必要になるんだからね」
新技術ルールに関しては冷却システムなどを含むいくつかのパーツが標準化される方向で検討されている。だが、それに対する批判的な見方も多い。F1本来のDNAがそれによって色あせてしまうのではないかとの懸念が生じるためだ。
だが、F1最高責任者を務めるチェイス・キャリーは、オーストリアのテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』に対し、そうしたルール変更は現在のF1を改善するために必要なのだと次のように語っている。
「もっと面白い戦いを目指すためだし、新たなチームをF1に呼び込む可能性を高めるためでもあるんだ」