ピエール・ガスリーに対するレッドブル内での評価が徐々に上がってきているようだ。
■シーズン序盤は苦しんだガスリー
昨年トロロッソで初のF1フルシーズンを経験したガスリーは、昨年限りでレッドブルを去ってルノーに移籍したダニエル・リカルドの後任に抜擢された。
だが、プレシーズンテストで2度も大きなクラッシュを演じてチームのプログラム遂行に大きな影響を及ぼしたことや、シーズンがスタートしてもなかなか結果が出せずにいたことで、ガスリーがそう遠くない将来レッドブルのシートを失うことになるだろうと推測している者もいる。
最近では、レッドブルがニコ・ヒュルケンベルグをルノーから引き抜き、ガスリーと交代させるつもりのようだとのうわささえささやかれるようになっている。
■レッドブル首脳もガスリーの成長を評価
だが、最近レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、そうしたうわさは「ナンセンス」だと一蹴したと報じられている。
そして、チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、ガスリーの成長度合いには満足しているとカナダの『La Presse(プレス)』に次のように語った。
「ピエールは改善を続けているよ。彼は今年の週末ごとに進歩しているし、我々は今後これまで上位にいたドライバーたちとも戦うことができると考えている」
■まだ自分のベストには到達していないとガスリー
フランス出身のガスリーも間違いなくレッドブルというチームや、その2019年型F1マシンに慣れ始めていると感じているようだ。
「シーズンが始まったころには、僕のドライビングスタイルがクルマのセットアップに合っていなかったんだ。僕たちはよりよく自分に合うものを見つけたと思っているよ。まだ自分のスタイルに関して、細かい部分を修正する必要はあるもののね」
そう語った23歳のガスリーは次のように付け加えた。
「だけど、その取り組みが今結果を出し始めているし、これからベストの状態に向かっていくと感じている。クルマは最強のライバルに近づきつつあるし、エンジンも力強くなりつつある。だからもうすぐ表彰台争いにも加われるだろうと期待しているよ」
■課題はライバルたちとのタイム差改善
ガスリーは今季の開幕戦オーストラリアGPは予選Q1敗退で決勝は11位、第2戦バーレーンGPでは予選13番手で決勝は8位と、トップ3チームのひとつに数えられるレッドブルのドライバーとしては不満の残る結果となっていた。
しかし、第3戦中国GPで予選6番手、決勝6位とトップ3チームドライバーとして最低限のノルマを果たすと、第4戦アゼルバイジャンGPはリタイアに終わったものの、第5戦スペインGPでも予選6番手、決勝6位、第6戦モナコGPではフェラーリのシャルル・ルクレールがQ1敗退し決勝をリタイアで終えたこともあり、予選5番手、決勝5位と安定した走りを見せられるようになっている。
今後の課題は、ほかのトップ3チームドライバーとのタイム差をどう縮めていくかということになるだろう。