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「フェラーリはベッテルをリラックスさせよ」とゲルハルト・ベルガー

2019年06月03日(月)20:14 pm

元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、フェラーリにはセバスチャン・ベッテルをリラックスさせることが必要だと主張した。

■苦しい立場に置かれたベッテル

最近、ベッテルが今シーズン限りで突然F1を引退するのではないかといううわさがささやかれ始めている。

2010年から2013年までレッドブルで4度F1チャンピオンとなったベッテルだが、2015年にフェラーリに移籍して以来一度もタイトルを獲得することができていない。

特に、昨年はメルセデスと互角に戦えるF1マシンを手にしたと考えられていたものの、自らのミスもあり、シーズン後半にはすっかり勢いがなくなってしまった。

さらに、今年もプレシーズンテストではメルセデスを圧倒するパフォーマンスを示していたフェラーリだが、実際にシーズンが開幕してみればメルセデスにまったく歯が立たない状況が続いている。

フェラーリの地元イタリアでは昨年からベッテルを戦犯扱いするような報道が目立つようになっており、ベッテルが抱えるプレッシャーがかなり大きいのは確かだろう。

しかも、今季はキミ・ライコネン(現アルファロメオ)の後任として新たなチームメートとなった若いシャルル・ルクレールにもプレッシャーをかけられる状況が生まれてきており、ベッテルの立場はますます厳しいものになってきている。

■ベッテルとシューマッハの違いは?

そのベッテルに関して、ベルガーはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語っている。

「セブ(ベッテルの愛称)はハードワーカーだよ。(ミハエル)シューマッハがそうだったようにね」

「だが、シューマッハに比べると、彼にはチームをリードし、キーメンバーにもっと関与するよう要求する能力が欠けているね。そして、彼は自分がまだナンバー1なのだと証明することに100パーセント集中しているよ」

一方、ベッテル本人はルクレールによって自分の将来が危機にさらされているというようなことはないと主張している。

■楽なチームメートなどいないとベッテル

「公正かつ敬意を持って言うけれど、過去にもっとやりやすいチームメートがいたと言うつもりはないよ」

ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったベッテルは次のように付け加えた。

「僕はキミが遅いとは思っていない。もちろん、彼らは違う人間だし、違うドライバーであり、違うスタイルを持っているけれどね」

■アロンソのフェラーリ復帰もありえる?

ともあれ、ベッテル引退説がささやかれるのと同時に、すでにその後任候補を予想するメディアも増えてきている。

現時点では、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)などの名前が取り沙汰されている。

そして、中には2018年シーズンを最後にF1から去ったフェルナンド・アロンソのフェラーリ復帰を予想している者もいる。

2005年と2006年にアロンソがルノーでF1ドライバーズタイトルを獲得したときにチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレは現在もアロンソのマネジメントに関与していると考えられている。

そのブリアトーレは、もし昨年アロンソがフェラーリにいれば、きっとタイトルを手にすることができていただろうと考えている。

■今の状況はドライバーの責任ではないとフェラーリ首脳

だが、今季からフェラーリのスポーティングディレクターを務めているローラン・メキーは次のように語り、現在の不振はドライバーのせいではないと示唆している。

「我々は絶対的パフォーマンスに関して全てにおいて後れをとっている。特定のタイプのコーナーにおいてメカニカルグリップやタイヤとともに空力の機能の仕方を改善する必要があるんだ」

■フェラーリに必要なのはベッテルをリラックスさせること

ベルガーはさらに、フェラーリはベッテルがもっと楽に走ることができるようにしてやる必要があると考えている。

「ベッテルにはリラックスした雰囲気で落ち着けることが必要なんだ。現時点において彼は苦しんでいるし110パーセントの力を発揮することはできない」

「レッドブルでリカルドとやっていたときもそうだったんだ」

■フェラーリが安定するには時間も必要

そう語ったベルガーだが、今季フェラーリがマウリツィオ・アリバベーネに代えてマッティア・ビノットをチーム代表に据えたのはいいことだったと考えている。

「モンテゼーモロ(元会長のルカ・ディ・モンテゼーモロ)やドメニカリ(元チーム代表のステファノ・ドメニカリ)がいなくなったフェラーリは変わってしまった。もはや私が知っていたチームではなくなっていたよ」

「ビノットによってフェラーリは以前のDNAを取り戻した。だが、状況が安定するまでは時間がかかるものなんだ」

かつて2期にわたって合計6年をフェラーリで過ごしたベルガーはそう語ると、次のように付け加えた。

「クルマのスピードを評価するのは難しいものだ。だが、確かなのは、もしチームがタイトル争いをしたいと思うのであれば、愚かなミスを犯さないようにしなければならないということだ」

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