2019年F1シーズンもここまでに21戦中5戦を消化している。そしてその5戦すべてでメルセデスが1-2フィニッシュを達成。ライバルたちにまったく付け入る隙を与えていない。
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そうした状況に、ファンばかりかF1関係者の中にも2019年シーズンはすでに「退屈」なものとなってしまっているとの声も出始めている。
そして、勝利を謳歌しているメルセデスも自分たちがひとり勝ちする状況が続くのはF1にとっては好ましくないというジレンマを抱えているようだ。
ヴォルフは“ファンの視点”に立った場合、メルセデスが圧倒的に強すぎる状況は“問題”だと認め、次のように語った。
「ファンとしての私も驚きや変化があることを望んでいるよ」
実際のところ、メルセデスでもこうした状況のもとでF1を続けることに意味があるのかという声も出てきているようだ。もちろん、これには市販車の電動化が加速しているという背景もあってのことだが、うわさによればメルセデスの取締役会は2020年を最後にF1から撤退することも視野に入れているようだと言われている。
だが、ヴォルフはそうした見方を否定し、次のように語った。
「その話題に関しては取締役会で話し合われたよ」
「しかし、我々はF1には浮き沈みがつきものなのだという結論に達したよ」
「また非常に困難な時期を迎えることもあるはずさ。我々は長期的視野に立つブランドだし、そうした状況となってもやり通す覚悟はできているよ」
「この(F1という)プラットフォームはまだ我々にとって有益なものなんだ」
そう主張したヴォルフは、次のように付け加えた。
「今後5年から8年にかけて自動車産業がどのように推移していくかは分からないものの、F1はメルセデスというブランドにとって素晴らしい宣伝の場だからね」