2020年にF1予選に新たにQ4を新設する案が検討されていたが、どうやらこれは廃案となったようだ。
F1オーナーのリバティ・メディアは、現行F1予選のQ1、Q2、Q3の3つのセグメントに加え、2020年から新たにQ4を新設することを目指していた。これは、予期せぬ結果を生む可能性を増すことでF1予選をさらに見応えのあるものにすることができると考えていたためだ。
だが、チームからは現在のF1ドライタイヤ供給数ではQ4増加に対応するのは困難だとの意見が出されていた。
現在は各レースにおいてドライバー1人あたり13セットのドライタイヤが供給されている。だが、すでに現在も予選Q3までに手持ちの新品タイヤの数が足りなくなるケースがあり、Q3でのアタック回数を減らし、あるいはまったくアタックを行わないことを選択するドライバーが発生することがある。
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのマリオ・イゾラ(自動車レース責任者)もその懸念があることを指摘し、現在のタイヤ供給数のままで予選にQ4が導入されれば「状況をもっと悪くしてしまうリスクがある」と語っていた。
そして、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が4月30日(火)に発表した2020年のF1競技ルールには、何も変更が加えられていない今年と同じ予選フォーマットが記載されている。
ドイツの『DPA通信』は、実際のところ2020年のF1ルールは技術面も競技面も「小さな修正」が施されるにとどまると報じており、その理由は2021年に非常に大きな変更が加えられることが想定されているためだとしている。