トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンは、中国GPで大きなクラッシュをしたことでチャンスを失ったと感じていたものの、マシンのポテンシャルを信じて結果を出せたことに満足しているようだ。
「中国ではいいペースだったのに、クラッシュによってチャンスを失ったと感じていたから、少しフラストレーションがあったんだ。今後、人工芝を走るときにはもっと慎重になるよ(笑)。
自分自身に少し腹を立てていたけど、ピットレーンスタートでもポイント獲得が狙えるポテンシャルはあることは分かっていたから、ポジティブさは失っていなかった。きちんと成果を挙げられて満足しているよ。
マシンに乗るごとに、快適に走れるようになっているし、タイヤマネジメントについての理解も向上し、ペースもよくなっている」
昨年戦っていたF2時代には、バクーで初優勝を果たしていることも自信に繋がっているようだ。
「バクーでは、F2時代にレースをした経験があるんだ。クラッシュが多発したフィーチャーレース(予選結果順のグリッドからスタートする第1レース)で初優勝を挙げているんだよ。
ポールポジションを獲得し、トラブルに巻き込まれずにレースを進めた。ピットストップにミスがあって3番手に後退したけど、3台並んでターン1へ進入した。3台とも直進しそうになったけど、なんとか抑えて2番手に立ち、さらに勝利を目指してプッシュしたんだ。またバクーへ向かうにあたって、すばらしい思い出だよ」
バクーでは、長い直線に合わせて少ないダウンフォースのセッティングで臨むことで、冷えてしまうタイヤのマネジメントが重要だという。
「コースは特殊で、ターン1へ向かう超ロングストレートではタイヤが冷えてしまい、かなりやっかいで、これまでもリスタートの際などにその問題を目にしてきたんだ。
冷えたタイヤとブレーキでスリップストリームの中を進んでターン1へ向かうから、クリーンで正確なライン取りが必要なんだ。
また、歴史的な市街地の中は、すごくコース幅が狭い箇所もあり、走っていておもしろいし、ここでタイムに違いが生まれるんだ。特に予選で縁石を攻めて壁にマシンをこすりながらラインを取っていくのは、モナコに似ている部分があると思うし、楽しいよ。
F1マシンで市街地コースを走るのは初めてだということを忘れてはならないね。壁際を低いダウンフォースで駆け抜けるのは楽しいけど、中国であんなことがあったあとだから、フランツ(トスト代表)は楽しめないかもしれないね(笑)」
ホンダPUを搭載したトロロッソは、Q3へ進出する速さがあるものの、これまでは真価を発揮できていないという。ここで予選Q3へ進出できるセッティングが見つかれば、トロロッソ・ホンダはトップ10フィニッシュの常連になれるかもしれない。
「バクーは、スピードがあればオーバーテイクできるから、いいサーキットだよ。僕らのマシンはこの3戦でQ3を狙える速さがあったけど、まだその真価が発揮できていないから、予選ではQ3進出が目標になるだろうね」