レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、現在のF1には変えるべきことが「4つ」あると主張した。
現在のF1は、F1オーナー、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、各F1チームとの間に結ばれているコンコルド協定のもとで運営が行われている。
そして、現在のコンコルド協定は2020年に満期を迎えるため、現在2021年以降に適用される新たなルールに関する話し合いが行われているところだ。
フェルスタッペンは先週パーソナルスポンサーである母国オランダのスーパーマーケットチェーン「Jumbo(ジャンボ)」の本社を訪れていたようだ。
『f1i.com』によれば、そこで今後どういうF1になって欲しいかとの質問を受けたフェルスタッペンは、「4つの問題点」を解決することが必要だとの見解を示したという。
■問題点1 《ピレリのF1タイヤ》
フェルスタッペンが最初にあげた問題点は、現在使用されているF1タイヤだ。F1公式タイヤサプライヤーであるイタリアのピレリが供給している現在のF1タイヤに関しては今季もしばしばドライバーたちの口から批判的コメントがなされている。
「現時点では、それら(ピレリタイヤ)はすごく過敏だし、すぐにオーバーヒートしてしまうんだ」
そう語ったフェルスタッペンは次のように続けた。
「そうするとスライドすることが多くなるし、ほかのクルマを追うのが難しくなってしまう。だからレースを通じて戦うことが困難なんだ。DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)の助けを借りて接近することはできるけれど、最終的には僕はそれに頼りたいとは思わないよ」
「それに、1周アタックラップをしたら次にそなえてスローダウンすることが必要なんだ。タイヤの温度を下げなくてはならないからね。そしてそれにすごく時間がかかるんだ。それはレースでも同じだよ」
「一定の限界を超えないようにする必要がある。そうじゃないとタイヤがオーバーヒートしてしまうのさ。僕はもっと速く走らせたいよ」
■問題点2 《エンジン依存度の高さ》
フェルスタッペンが次にあげたのは、現時点ではエンジンメーカーによる差が非常に大きいということだ。
2014年にPU(パワーユニット)と呼ばれる複雑なハイブリッド方式F1エンジンが導入されたが、以後最強エンジンを擁するメルセデスが5年連続でドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを独占している。
「エンジンに頼る部分は小さくすべきだよ」
「現時点ではエンジンによる差がかなり大きくなっているからね。ここ数年は最高のエンジンを有するチームがほとんどの勝利を手にしてきている」
そう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「(エンジン出力の)差は20馬力あるいは30馬力以内にとどめるようにすべきだよ」
■問題点3 《複雑で壊れやすい空力パーツ》
フェルスタッペンは次に、F1マシンはラップタイムを縮めるためのスピードを求めるのではなく、レースでのバトルが増えるような空力ルールにした方がよいとの考えを示している。
「空力に関しては、僕は速く走るためのものでなくてもいいと思っている。お互いにいいレースができる限りにおいてね」
「あるいは、誰かと接触して何かが壊れたとしても1周あたりコンマ5秒も失わないようなものであって欲しいよ」
「今は、縁石に少しオーバースピードで乗ってしまうと、クルマのボトム半分ほどが壊れてしまうんだ。そんなことはあって欲しくないよ」
■問題点4 《大きすぎるチームの力量差》
そして、フェルスタッペンは最後に、F1チームの力量差をもっと小さくすることが一番重要だと主張している。
「最後は、チーム間の差が大きすぎるということさ」
「今は3つのトップチームがいる。メルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルだ。だけど、3番手と4番手のチームの差はほぼ1秒ある。これは大きな差だよ」
そう語ったフェルスタッペンは次のように締めくくっている。
「もし全チームの差をもっと接近させることができれば、レースはずっといい感じになると思うよ」