レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーが、レースをするたびに3歩ずつ前進していきたいと語った。
●【決勝レース結果】2019年F1第3戦 中国GPのタイム差、周回数、ピット回数
2019年のF1シーズンもすでに3レースを終えたが、ここまでは現チャンピオンチームのメルセデスが圧倒的な強さで3連勝を達成。しかもすべてメルセデス勢が1-2フィニッシュを飾っている。
2月に行われたプレシーズンテストでは出遅れたと考えられていたメルセデスがこれほどの強さを示すと予想していた者はあまりいなかったのが事実だが、シーズン開幕前には自分たちはメルセデスを超えたと豪語していたレッドブル首脳のヘルムート・マルコにとっても今の状況は想定外のことだったに違いない。
実際にシーズンが開幕してみると、レッドブルの2019年型車RB15は、メルセデスやフェラーリに比べて空力面のパフォーマンスが低いことが明らかとなっており、現在その問題の解決が急務となっている。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも「可能な限り早急に最大限の競争力を実現したいと全員が思っているよ」と語り、もっとチーム力を高める必要があることを認めている。
だが、レッドブルが現在抱えている問題はマシンの空力パフォーマンスだけではない。
それは、今季からマックス・フェルスタッペンのチームメートとなったピエール・ガスリーのパフォーマンスが期待よりもかなり低いということだ。
フェルスタッペンは開幕戦オーストラリアGPで3位表彰台に上り、第2戦バーレーンGPと第3戦中国GPでもなんとか4位に食い込んでおり、現時点ではドライバーズランキングも3番手に位置している。
だが、ガスリーは開幕戦では予選で作戦ミスもあって17番手となり決勝では11位。第2戦バーレーンGPでは予選13番手から決勝では8位。そして中国では予選も決勝も6番手と少しずつ改善は見せてきているものの、フェルスタッペンとのパフォーマンス差が非常に大きいのは事実だ。
ガスリーに関しては、すでに今季トロロッソでF1復帰を果たした元レッドブルドライバーのダニール・クビアトにシートを奪われるのではないかとのうわさもささやかれている。
しかしホーナーは中国GPが開催された先週末の上海で、ガスリーはまだ新しい環境に慣れつつある段階なのだと次のように擁護した。
「まだ完全な状態ではないにしろ、ピエールにとってはこれまでよりはいい週末になっていたと私は思っている」
「彼は今自分のスタイルをクルマの特性と一致させるように調整している段階なんだ。しかし、それに関してはすでに進展が見られるよ」
「彼は決勝でファステストラップを刻んで見せたし、それが彼の自信につながることを期待しているよ」
ホーナーが指摘したように、レース終盤にソフトタイヤに履き替えてファステストラップを狙いに行き、見事それに成功してボーナスの1ポイントを獲得したガスリーも次のように語った。
「クルマに乗ったときの感触もよくなってきているよ」
「まだやるべきことがたくさんある。だけど、僕たちは週末ごとに1歩前進することができている」
そう語った23歳のガスリーは次のように付け加えている。
「それどころか、僕は週末ごとに3歩前進できたらと願っているよ」