パスカル・ウェーレインが、グリッド後方に沈むしかないチームでF1復帰するつもりはないと主張した。
メルセデスの育成ドライバーであったウェーレインは2015年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で史上最年少チャンピオンとなり、翌2016年にメルセデスエンジンを搭載していたマノーでF1デビューするチャンスを得た。
その年の第13戦ベルギーGPからは同じくメルセデスの育成ドライバーであるエステバン・オコンをチームメートに迎えるが、以後の9レースの予選ではウェーレインが7勝2敗で大きく勝ち越している。
だが、マノーがその年限りでチーム解散となり、翌2017年はメルセデスの後押しによりザウバーのシートを獲得。ウェーレインはチームが獲得した5ポイントすべてを稼ぎ出す活躍を見せたものの、フェラーリとの関係強化に動いていたザウバーは2018年にフェラーリ育成ドライバーのシャルル・ルクレール登用を決定。
これによりシートを失ったウェーレインは2018年には再びDTMに出走しつつメルセデスのリザーブドライバーを務めていたが、その年限りでメルセデスとの契約を解除。今年はフェラーリの開発ドライバーを務めつつ、インドのマヒンドラ・レーシングでフォーミュラEに参戦している。
母国ドイツの『Bild(ビルト)』からF1復帰を目指しているのかと質問された24歳のウェーレインは次のように答えた。
「何が何でも、というわけじゃないよ」
「今年のフォーミュラEのように自分に合うところじゃないとね。18位争いをするのが分かっているようなF1チームで復帰するつもりは全然ないよ」
「レースをしに行って、最高でも15位だということが分かってしまうのは競技スポーツとは言えないからね」
「もうそういう状況に自分を置きたいとは思わないよ」
そう語ったウェーレインは、実際のところ、以前マノーやザウバーで走っていたときに比べれば、現在のフェラーリでの仕事やフォーミュラEのほうがずっと満足できていると次のように続けた。
「長いことやってきて初めて、また楽しさを味わえているよ」
「僕の現在の状況ではより満足することはできなかっただろうし、昨年はDTMで楽しむこともできた。今僕はフォーミュラEでレースをし、フェラーリではシミュレーター作業をしている。そして自分のパフォーマンスを示すことができるチームで走っているんだ」
「フォーミュラEではすでに2回優勝を狙えるチャンスもあった。それによって再び本当のレーシングドライバーになれたと感じているよ」
今季のフォーミュラEはここまでに4戦を終えているが、第2戦でポールポジションとファステストラップを記録したウェーレインは現在ランキング10番手につけている。