マクラーレンが2020年限りでF1から撤退する可能性もあると示唆した。
名門F1チームのひとつであるイギリスのマクラーレンだが、2008年にルイス・ハミルトン(現メルセデス)がドライバーズタイトルを獲得して以来無冠の状態が続いている。
2012年のF1第20戦ブラジルGPでジェンソン・バトンが表彰台の中央に上ったのを最後にレースでの勝利からも見放されていたマクラーレンは起死回生を狙って2015年からホンダをワークスエンジンサプライヤーに迎えたものの、そのプロジェクトも失敗に終わってしまった。
2018年からはルノーエンジンに切り替えたマクラーレンだが、依然としてトップ返り咲きは非常に困難な状況が続いている。
伝えられるところによれば26日(火)に行われる会議においてF1オーナーのリバティ・メディアが2021年以降のF1レギュレーションを明らかにする予定になっている。
これに関し、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンは、F1は「財政的に実行可能」かつ「公平な戦いができる」ものである必要があり、もしそういう方向性に向かわなければ自分たちがF1から撤退する可能性もあると主張している。
「もしそうでなければ、我々は真剣にF1における自分たちの位置を検討しなくてはならないだろう」
『Guardian(ガーディアン)』にそう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「財政的に実行可能であり、競争力のあるレーシングチームとなるものでなくてはならない。もし新しいルールによってそういう状況が生まれないと感じるようであれば、我々は自分たちのF1参戦を見直さなくてはならなくなるだろう」
F1オーナー、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、各F1チームの間で結ばれている現在のコンコルド協定では、名門F1チームであるフェラーリが財政的にも優遇されている状況にある。
ライバルチームたちはこうしたフェラーリ優遇ルールに不満を抱えているものの、フェラーリが新ルールにおいてもその位置をキープしたいと考えているのは間違いないことだ。
ブラウンはこれについて次のように語った。
「フェラーリが最も大きな名前であることは誰もが認めるところだし、それに応じて報いられるべきだろう。だが、現在のようなレベルであるべきではないし、その金をレースに注ぎ込むべきではないよ」
ともあれ、2021年のルールを確定させる期限は6月だとされているが、まずは26日の会議がどういう展開を見せるのかに注目が集まるのは確かだ。
ブラウンは次のように締めくくっている。
「これは交渉事だ。しかし私はF1が正しいことを行って10チームすべてと契約を結び、2021年以降は競争が増えてさらによいF1となるだろうと楽観的に考えているよ」