2019年のF1開幕戦を制したのは、髭をたくわえて新シーズンに臨んだバルテリ・ボッタス(メルセデス)だった。
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昨年はドライバーズタイトルを獲得したチームメートのルイス・ハミルトンの影に完全に隠れる形となってしまったボッタスだが、F1関係者の中にはボッタスのF1キャリアも今年が最後になるだろうと考えていた者も少なくなかったようだ。
■開幕戦勝利で自分の存在をアピールしたボッタス
メルセデスF1チームを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、オーストリアのテレビ局『ORF』に対し、ボッタスはそうした者たちに対してメルボルンで行われたF1オーストラリアGPで最高の形で自分の存在をアピールしてみせたのだと語り、次のように続けた。
「バルテリのことを本当によろこんでいるよ。過去6か月は彼にとって本当につらい時期だったからね」
優勝に加え、今季から導入されたファステストラップポイントも獲得し、開幕戦で26ポイントを手中におさめたボッタスは、フィニッシュラインを横切るときに無線を通じて「関係各位。クソ食らえ!」と叫んでいた。
そのことについて質問されたボッタスは、そう言おうとあらかじめ考えていたわけではなかったものの、これまでに受けていた批判のことを考えればそれくらいは正当だと思ったと答えている。
■自分の指示はまったく無視されたとヴォルフ
そのボッタスは、レース終盤にヴォルフから無理にファステストラップを狙うようなことをするなと指示されていたものの、これを無視して57周目に猛然とアタック。見事に最速タイムを更新するとそのままファイナルラップに入り、トップチェッカーを受けた。
「私は彼ら(ボッタスと担当エンジニア)に1ポイントのためにリスクを負うなと言ったんだ」
ドイツのテレビ局『RTL』にそう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「そして、彼らは私を完全に無視したよ」