レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、今季レッドブルでの初シーズンを迎えるピエール・ガスリーにはもっと「自制力」が必要だと指摘した。
■ガスリーのクラッシュによりテストプログラムが未消化に
世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルが所有するレッドブル・レーシングとトロロッソのドライバー育成責任者としても知られるマルコは、バルセロナで行われたプレシーズンテストで2回のクラッシュを起こし、テストプログラムに大きな影響を与えてしまったガスリーについて『Motorsport-Magazine.com』に次のように語った。
「我々はテストに様々なものを持ち込んだが、ガスリーのクラッシュによって全ての開発を行うことができなかった」
「特に、2回目のクラッシュはまったく無用のものだった」
「それによって我々のテストプログラムがすべて投げ捨てられたようなものだ。彼にはもっと自制力を示す必要がある」
そう語ったマルコは、今週末にメルボルンで行われるF1開幕戦オーストラリアGP(17日決勝)には、完全には準備が整っていない状態で臨むしかないと次のように付け加えた。
「我々はパーツを完全なパッケージとしてテストすることができなかった。パーツ個別のテストができただけだ。だからどうなるか分からないよ」
■ガスリーには経験が足りないだけ
だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今季2年目のF1フルシーズンを迎えるガスリーにとってあのようなクラッシュを起こすのは仕方のないことだと考えている。
「彼に生まれ持ったスピードがあるのは確かだ。それには疑問を挟む余地はないよ」
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「彼にはちょっとだけ経験が足りないだけだ」
■ガスリーにとって今年は大きなチャンス
しかし、ホーナーもガスリーにとって昨年走っていたトロロッソとレッドブルではいろんなことが非常に違ってくるのは間違いないと次のように続けた。
「突然、F1スタードライバーのひとりであるマックス・フェルスタッペンと自身のパフォーマンスとの比較にスポットライトが当てられることになるんだ」
「ピエールにとっては大きな挑戦になる。だが、彼は正しい考え方ができるはずだと確信しているし、彼はチームからのサポートをあてにすることもできる」
「ピエールは、恐らく予想よりも12か月早く昇格が決まったのだろうが、人生というものはそんなものだ。彼には素晴らしいチャンスがある」
そう述べたホーナーは次のように結んでいる。
「もし彼がマックスと同じように多くのポイントを稼ぎ、表彰台に上ることができれば、昨年に比べて大きな進歩を遂げたことを示せるだろうね」