レッドブルのモータースポーツアドバイザーであり、ドライバー育成責任者としても知られるヘルムート・マルコが、バルセロナで行われた今年のF1プレシーズンテストで2回のクラッシュを演じたピエール・ガスリーに警告を発した。
レッドブル・レーシングとトロロッソの2チームを所有する世界的エナジー飲料メーカーのレッドブルだが、そのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツの右腕と称されているのがマルコだ。
■ホンダへのスイッチは「最善の選択」
マルコは、今季からホンダエンジンを搭載して戦うことになるレッドブルにとって今季の目標は「最低でも5勝」だと語り、『APA通信』に次のように付け加えた。
「それに、我々にもF1タイトルを狙うチャンスがあるはずだと思っているよ」
マルコは、今季からルノーに替えてホンダエンジンを搭載することにしたのはレッドブルにとって「最善の選択」だったとしている。
■ガスリーはまだフェルスタッペンのレベルではない
そして、レッドブルが今季に向けて行ったもうひとつの選択がピエール・ガスリーの登用だ。
昨年限りでレッドブルとの契約が満了したダニエル・リカルドがルノーへの移籍を決断したことから、レッドブルではその後任ドライバーを据える必要にかられた。そこでレッドブルが選択したのが、ジュニアチームであるトロロッソに所属していたガスリーだった。
ガスリーは2017年にF1第15戦マレーシアGPでトロロッソからF1デビューを飾り5レースを戦っている。だが、フルシーズンを戦ったのは2018年が初めてであり、その経験不足が懸念されたのも事実だ。
そして、そのガスリーはプレシーズンテストで2回のクラッシュを演じてしまい、レッドブルのテストプログラムに少なからず打撃を与えてしまっていた。
「2回目のクラッシュによってスペアが足りなくなってしまった。だから、マックス・フェルスタッペンは最終日にあまり走ることができなくなってしまったんだ」とマルコは語り、そのクラッシュが想定外のものであったことを示唆している。
とは言え、レッドブルでは2019年シーズンにフェルスタッペンとガスリーを公平に処遇するという建前をくずしてはいない。
マルコは次のように続けた。
「そのことには何の変化もないよ。だが、我々がテストで分かったことは、ガスリーはまだフェルスタッペンのレベルには到達していないということだ」
■ガスリーにはもうミスは許されない
プレシーズンテストにおけるガスリーのパフォーマンスそのものはどうだったのかと尋ねられたマルコは「2回のクラッシュを除けば完璧だったよ」と答えたものの、次のように付け加えた。
「とりわけ、2回目のクラッシュは痛かったよ。彼にはもう二度とああいうことは許されないよ」