ロバート・クビサが、ウィリアムズが2019年シーズンの出足から大きくつまずいてしまったことを「心配はしていない」と主張した。
■9年ぶり復帰のクビサにとって厳しいスタートに
2011年シーズン開幕前に参戦したラリーで起きたクラッシュにより大けがを負ったクビサだが、不屈の努力の結果、右腕に生涯消えることのない障がいを抱えながらも今年ウィリアムズのフルタイムドライバーとして9年ぶりにF1復帰を果たすことになった。
だが、そのウィリアムズの2019年型F1マシンの製造が予定を大きく遅れてしまい、バルセロナで行われた今年最初のF1公式プレシーズンテストでは2日遅れでやっと走行できる状態となっていた。
そうしたハンディキャップもあってか、ウィリアムズの2019年型車FW42はライバルたちに大きな差をつけられてしまっている。
そうした中、ロシアの『Championat(カンピオナ)』は、昨年ウィリアムズのドライバーを務めていたセルゲイ・シロトキンが「僕が(2019年型車の)シミュレーター作業をしたときには、このクルマは(昨年のものより)2秒遅かったよ」と語ったと報じている。
■こうなったことはもう仕方がないとクビサ
しかし、ポーランド出身ドライバーであるクビサはテストが行われたバルセロナで次のように語った。
「心配はしていないよ」
「仕方のないことさ。もちろん今週もっとクルマを学ぶことが出来ればそのほうがよかったさ。だけど、僕たちが遅れたというのが現実なんだ」
「これが最初のレースに尾を引かないことを期待しているよ」
テスト3日目の20日(水)に初めてバルセロナ-カタルーニャ・サーキットのコースに出たウィリアムズFW42は、トップからは8秒も遅いタイムしかマークすることができなかった。それでも、その翌日21日(木)にはその差を4秒ほどにまで縮めている。
そのことについて質問されたクビサは微笑みを浮かべながら次のように答えている。
「8秒も遅いような場合、4秒タイムを縮めるのは簡単なことなんだ」
「もちろん、僕たちにはもうあんなことはできない。だけど、現時点でのラップタイムに焦点を合わせることもできないよ」
■大きなハンデを負ったウィリアムズ
2019年型ウィリアムズF1マシンの感触について質問されると、クビサは次のように答えた。
「いくつかのエリアに関しては改善することができた。だけど、(2019年に導入された)ルールによって後退を余儀なくされたところもあるんだ」
「ひとつ確かなことは、僕たちが追い付くためにはライバルたちよりも大きな進歩を遂げることが必要なんだ」
「みんながいい仕事をしたのは確かだよ。通常よりも5倍の速さでクルマを組み立てたんだからね。だけど準備にそれだけの時間がかかるのにはちゃんとした理由があるんだ」
ともあれ、ウィリアムズにとって開幕戦までにクルマを仕上げるためのチャンスは来週同じバルセロナで行われる2回目のテスト4日間しか残されていない。
「そう、ほかのチームはただ楽しむために1日目からテストを始めていたわけじゃないからね」と語り、ウィリアムズが大きなハンデを背負ってしまったのは確かだと示唆したクビサは次のように付け加えた。
「だけど、こういう状況になってしまったんだ。チームの誰もが自分の仕事を持っているし、僕も可能な限り自分の仕事をするだけさ」