オランダの2つのサーキットが2020年のF1開催を目指して今も懸命な取り組みを続けているようだ。
■F1開催を目指す2つのサーキット
このほど、オランダのテレビ局『RTL Nieuws(RTLニュース)』が、F1最高責任者のチェイス・キャリーがオランダのザントフォールト・サーキットに宛てて出した書簡の内容をリークした。
その書簡には、仮にF1オーナーのリバティ・メディアとザントフォールトの間で2020年のレース開催契約が3月31日までにまとまらない場合、オランダのほかのサーキットも候補地になることはないと記されているという。
だが、オランダのTTサーキット・アッセンのプロモーターを務めるリー・ファン・ダムは、自分たちも開催実現に向けて取り組み続けていくつもりだと『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙に次のように語った。
「我々はもちろん今でも2020年にF1を誘致しようと取り組み続けているよ」
「我々は先週FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント/F1商業権管理組織)と連絡をとっており、近いうちに再び交渉を行うことになる」
「彼らは我々に対して率直だし、もし我々がもはや候補ではないというのであれば、彼らは丁重に我々にそう伝えていたはずだ」
■財政支援は行わないと連邦大臣
オランダの連邦政府大臣であるブルーノ・ブランスは、議会へ宛てた書簡の中で政府がオランダGPに対して「財政的支援を行うつもりはない」ことを明らかにしている。
伝えられるところによれば、ザントフォールトは連邦政府に対し、1年につき700万ユーロ(約8億7400万円)の補助を要請していたという。
だが、これに関してブランスはオランダGP開催の見込みがあるとしても、それは「税資産の投入を正当化できるものではない」としている。
ブランスによれば、「これは商業的なスポーツイベントであり、それに関する権利はアメリカの会社(リバティ・メディア)が有するもの」であり、そのために政府が財源を提供する「必要もなければ正当化できるものでもない」というわけだ。
■ザントフォールトはすでに「基本合意」に到達
しかし、ブランスは、ザントフォールトは現在多くのオランダ企業との交渉を行っており、その中には現在F1のスポンサーを務めているハイネケンも含まれていると示唆。そして、ザントフォールトはすでにリバティ・メディアと2020年から2022年まで3年間のF1開催契約を結ぶことに関し「基本合意」に達していると語っている。
ブランスは、もしオランダGP開催が実現すれば政府も資金援助以外の方法で支援をしたいと考えていることを明かしている。