7度F1年間チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハは2006年限りでいったんF1を引退したものの2010年に再び復帰を果たした。だが、当時シューマッハのマネジャーを務めていたウィリー・ウェバーは復帰には反対だったようだ。
2019年1月3日(木)に50歳の誕生日を迎えたシューマッハだが、今もスイスの自宅において2013年末のスキー事故で負ったけがのリハビリが続けられている。
シューマッハが2010年にメルセデスから4年ぶりとなるF1復帰を目指していたとき、ウェバーは考え直すようシューマッハに説得していたという。
『Abendzeitung(アーベンツァイトゥング)』から、2010年にF1復帰するようシューマッハに助言していたのかと質問されたウェバーは次のように答えた。
「とんでもない。私は彼を呼んでこう言ったんだ。『頼むからやめてくれ。負けるだけだ』とね」
「彼は7度もF1チャンピオンになったわけだし、何かを証明する必要などなかった。だが、彼は本当に走りたがっていたよ。私は、彼が走るというならそれもいいだろうが、その場合私が一緒にやることはないと考えていた」
それまで長年シューマッハのマネジャーを務めてきていたウェバーだが、2013年に起きたスキー事故以来、シューマッハとは会うこともできていないという。
2010年のF1復帰に関して意見が食い違ったことでシューマッハとの関係が悪化したのかと聞かれた76歳のウェバーは「そんなことはない」と答え、次のように続けた。
「我々にはまだ2014年まで契約が残っていたんだ。ただ、私はもう世界中を飛び回るようなことはしたくなかったんだ」
「私は、人生のすべてのことにはそれにふさわしい時があると考える人間なんだ。そして、ミハエルと私がほぼ20年にわたってやったことがF1における我々の時だった。それを繰り返したり、過去に戻ったりするようなことはできないんだ」
「我々は友人として別れた。そしてその後も電話や一緒にコーヒーを飲んだりディナーに行ったりして何百回も話をしたよ」
ウェバーの反対を押し切って2010年にメルセデスでF1復帰を果たしたシューマッハだが、以降3年間にわたって一度も表彰台の中央に立つことはできず、2012年シーズンを最後に現役生活にピリオドを打っている。