前F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、今後マイアミやロンドンでF1レースが開催できるとは思えないと主張した。
2017年にF1の新オーナーとなったアメリカのリバティ・メディアは、当初2019年からマイアミでアメリカでの2つ目のF1グランプリを開催する計画を進めていた。
だが、地元住民らによる反対運動が起きたこともあり、現時点ではマイアミでのF1開催はほぼ白紙に戻った状態だと伝えられている。
■リバティ・メディアはやり方が分かっていない
リバティ・メディアはマイアミでのF1開催をあきらめてはいないと主張しているものの、エクレストンの見方は違うようだ。
「絶対に実現することはないよ」
ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったエクレストンは、そもそも市街地でのレースを実現させるのは極めて困難であり、とりわけマイアミでF1をやるという計画は無謀でもあると続け、次のように付け加えた。
「アメリカ人たちは常に金を失わずにすむ保証を求めると思うよ」
エクレストンはさらに、リバティ・メディアは「新しいレースを増やそうとあまりにも急ぎすぎている」と主張し、次のように続けている。
「彼らがF1オーナーになったとき、25レースを開催するつもりだし、そのうち6レースはアメリカでやると言っていた。だが、彼らはどうすればそれが実現できるのか分かっていないんだ」
一方、リバティ・メディアは2020年からベトナムでF1を開催することを発表している。だが、エクレストンは同じアジア地域にあるシンガポールや日本と競合することになるレースを増やすのは間違いだと考えている。
「あそこの人たちにF1のことを話しても、彼らはその内容が分かるだけの手がかりを持っていないんだ」
「それが正しいことなのか間違ったことなのか、私には分からない。人々がサーキットに集まったり、テレビのスイッチを入れたりするのであれば、どこであれ適正な場所だということになるからね」
■ロンドンでのF1開催も無理
エクレストンはさらに、最近リバティ・メディアがロンドンでのF1開催を視野に入れていると報じられたことについても次のように語っている。
「我々も数年前に検討したよ」
「(ロンドンでのF1開催は)あまりにも複雑だし、多くの制限がある」
「非常に多くの会議を行ったが、最終的には300万ポンド(約4億3千万円)の違いがあった」
そう語ったエクレストンは次のように付け加えた。
「私は言ったよ。『それは今後開催する必要がある会議で用意されるミネラルウォーターのペットボトルにかかるコストだ。だからすべてなかったことにしよう』とね」