メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、フェラーリから違法の疑いがあると指摘されていた独特な設計が施されたホイールを最終戦アブダビGPで使用していたことを認めた。
メルセデスでは今季終盤、独特の穴が設けられたF1マシン用ホイールを新たに投入しようとしたが、フェラーリがそのホイールはルールで禁止されている可動空力パーツにあたるのではないかとの疑いを持っていることが明らかとなった。
フェラーリから非公式な打診を受けたF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、そのホイールをチェックした結果、そこに設けられた穴はブレーキの冷却効率を高めるためのものに過ぎず、可動空力パーツにはあたらないとの見解を示していた。
それでも、メルセデスはそのホイールを実際にレースに投入することを見送っていたが、ついに先週末に行われたF1最終戦アブダビGPで実戦投入したわけだ。
ヴォルフはそのことに関して次のように語った。
「それほど複雑な状況だとは思っていないよ。FIAから文書でお墨付きをもらっているし、これ以上の保証はないからね」
ヴォルフによれば、過去数レースにおいてそのホイールの使用を見送っていたのは、フェラーリが正式な訴状をFIAに提出する恐れがあったことから、もしそうなれば今年のF1タイトルが正式に確定するまでに時間を要することになる可能性があったことから、それを避けるためだったという。
「来年、我々がそれ(ホイール)をクルマに装着するのは間違いないよ」とヴォルフは付け加えた。