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【決勝レポート】ハミルトンが有終の美 アロンソのF1ラストレースは11位完走/F1アブダビGP

2018年11月26日(月)1:04 am

2018年のF1シーズン最終戦となる第21戦アブダビGPが25日(日)、ヤス・マリーナ・サーキット(1周5.554km)で3日目を迎え、現地時間17時10分(日本時間22時10分)から行われた決勝でメルセデスのルイス・ハミルトンが優勝した。今季11勝目、通算73勝目。

●【画像:決勝レース結果】2018年F1第21戦アブダビGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■1周目にヒュルケンベルグが大クラッシュ

レッドシグナルが消え、55周で争われるレースがスタートすると、最前列スタートのメルセデス勢が順位をキープしながらターン1を駆け抜ける。

しかし、トップ3チームドライバーの中で唯一一番柔らかいコンパウンドのハイパーソフトタイヤで6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は10番手にまで順位を落としてしまう。

ところがその直後にロマン・グロージャン(ハース)とニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)がクラッシュ。ヒュルケンベルグのマシンは大きく宙を舞ってコース左側のウォールに激突。マシンが逆さまになってしまう大事故となり、ここでセーフティカーが導入された。

かけつけたコースマーシャルが煙の上がるヒュルケンベルグのマシンに消火剤を吹きかけるという緊迫した状況となったが、幸いヒュルケンベルグにけがはなく、クルマが上向きに戻されると自力でマシンを降りた。

相手のグロージャンには大きなダメージはなく、そのまま走行を続けた。

5周目にレースが再開されると、順位を下げていたフェルスタッペンが前を走るフォース・インディア勢に迫っていく。フェルスタッペンはブラジルGPで因縁のクラッシュを演じたエステバン・オコン(フォース・インディア)とのバトルを展開。オコンと接触して弾き飛ばすようにしながら順位を上げるシーンが展開された。

■フェラーリでの最終レースでライコネンにトラブル

すると7周目にキミ・ライコネン(フェラーリ)がホームストレート上でクルマを止めてしまう。電気系トラブルかと考えられたが、ライコネンはフェラーリでの最後のレースをリタイアで終えることになってしまった。

ここでVSC(バーチャルセーフティカー)が導入されると、トップを走行していたハミルトンがピットイン。シャルル・ルクレール(ザウバー)とグロージャンも同様にピットに向かった。

一番堅いスーパーソフトタイヤに交換したハミルトンはフェルスタッペンの後ろ5番手でコース復帰。ルクレールは14番手、グロージャンは最後尾18番手でコースに戻った。

9周目にVSCが解除されると、暫定トップにたったバルテリ・ボッタス(メルセデス)を先頭に、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ダニエル・リカルド(レッドブル)、フェルスタッペン、ハミルトンという順序でレースが進んでいった。

16周目にベッテルがピットイン。スーパーソフトタイヤに履き替えてオコンの後ろ6番手でコース復帰。ベッテルは直後にオコンをかわして5番手に浮上する。

その次の周にボッタスもスーパーソフトタイヤに交換するが、ベッテルがピット作業で右リアタイヤの装着に手間取ってタイムロスしていたこともあり、悠々とベッテルの前でコース復帰。ピットインの前よりも逆にギャップを広げることに成功した。

18周目にはフェルスタッペンもピットに戻ってスーパーソフトタイヤに交換。これでまだタイヤ交換を行っていないリカルドが暫定トップの位置につき、それにハミルトン、ボッタス、ベッテル、フェルスタッペンが続く形となった。

■アブダビでは珍しい降雨シーンも

アブダビにしては珍しく、レース中の降水確率が40%と予想される中で始まったレースだが、レースが25周目に近づいたころターン8付近のカメラに雨が落ちてきた様子がとらえられ始める。

しかし、幸い雨脚はそれ以上強くなることはなく、ドライコンディションのままでレースが展開されていった。

■少しずつ順位を上げるガスリーとアロンソ

26周目にザウバーのマーカス・エリクソンがスローダウン。エリクソンはエスケープゾーンにクルマを止め、今日3台目のリタイアとなった。この時点でまだタイヤ交換を行っていないトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが8番手、これが最後のF1レースとなるフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が9番手に順位を上げてきた。

しかし、27周目に来季フェラーリに移籍するルクレールがアロンソをかわして9番手に浮上する。アロンソは28周目にピットに入り、スーパーソフトタイヤに交換。最後尾17番手でコースに戻った。

スーパーソフトタイヤでレースをスタートしていたガスリーも30周目にピットに入り、ウルトラソフトタイヤに交換。ガスリーはアロンソの前16番手でコース復帰した。

ガスリーはその後セルゲイ・シロトキン(ウィリアムズ)をオーバーテイクして15番手に浮上。さらに34周目にはチームメートのブレンドン・ハートレーをかわして14番手に順位を上げていった。

■ボッタスが失速 ベッテルが2番手に浮上

34周目にトップを走行していたリカルドがピットに入り、スーパーソフトタイヤに交換。リカルドはフェルスタッペンの後ろ5番手でコースに戻った。

35周目にはベッテルがボッタスをオーバーテイクして2番手に浮上。ペースが落ちてきたボッタスはその後フェルスタッペンとリカルドにもオーバーテイクを許してしまう。ボッタスは41周目に2度目のピットインを行いウルトラソフトタイヤに交換。順位は変わらず5番手でコース復帰するも、ここで表彰台の望みは絶たれることになった。

■ポイント圏内に入ったガスリーにまさかのPUトラブル

レースが終盤に入った47周目にオコンのマシンにトラブルが発生。オコンもここでリタイアとなってしまい、これでガスリーがポイント圏内の10番手に浮上。

これで最終戦でポイント獲得達成かと思われたトロロッソ・ホンダだったが、なんとその次の周にガスリーのマシンが白煙を上げてしまう。しばらく煙を上げながら走行を続けたガスリーだったが、結局マシンを安全な場所に止め、無念のリタイアとなってしまった。

これでケビン・マグヌッセン(ハース)が10番手に上がり、その後ろ11番手にアロンソが続く展開となる。アロンソは最後のレースでのポイント獲得を目指して懸命の走りを見せるも、その時点で2秒以上開いていたギャップを縮めるには至らなかった。

■アロンソの最終レースは11位完走

結局、すでに今季のドライバーズタイトル獲得を決めていたハミルトンがポール・トゥ・ウィンを達成。今季11回目、通算73回目のトップチェッカーを受けて有終の美を飾った。

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が2位、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3位でフィニッシュし表彰台に上った。

アロンソは結局11位でチェッカーを受けたが、クールダウンラップでハミルトンとベッテルがアロンソを中心に3台横並びで走り、これでF1を去るアロンソに敬意を表すというシーンが展開された。

さらに、ホームストレートに戻ったハミルトンとアロンソが2台同時にドーナツターンを描き、グランドスタンドのファンから大きな声援が送られた。

トロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリーがPUトラブルでリタイア、ブレンドン・ハートレーが12位完走という結果で今季の最終戦を終えている。

■決勝トップ10ドライバー(暫定)

優勝/ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
3位/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
4位/ダニエル・リカルド(レッドブル)
5位/バルテリ・ボッタス(メルセデス)
6位/カルロス・サインツ(ルノー)
7位/シャルル・ルクレール(ザウバー)
8位/セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
9位/ロマン・グロージャン(ハース)
10位/ケビン・マグヌッセン(ハース)

2019年のF1開幕戦オーストラリアGPは、2019年3月15日(金)に開幕。決勝は同17日(日)に行われる。

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