元F1ドライバーであり、フェラーリのテストドライバーを務めたこともあるペドロ・デ・ラ・ロサは、フェラーリがセバスチャン・ベッテルを守り損ねてしまったのが今季のF1タイトル獲得を逃すことになった重要な要素だったと考えている。
今季はメルセデスをしのぐF1マシンを手にしたと言われていたフェラーリだが、最終的にベッテルはルイス・ハミルトン(メルセデス)に大差をつけられて今年のF1ドライバーズタイトル獲得に失敗してしまった。
デ・ラ・ロサは今季のベッテルとフェラーリについて、母国スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「フェラーリはハイブリッド時代に入ってから始めて、あらゆる面でメルセデスのレベルに匹敵するクルマを手にした」
「だが、ベッテルのミスと相まってフェラーリが彼を守らなかったことで、彼らはF1タイトルを取り逃してしまったんだ」
フェラーリがベッテルを“守らなかった”とは具体的にどういう意味かと尋ねられたデ・ラ・ロサは次のように答えている。
「ドライバーが活躍するためにはチームが彼を守らなくてはならないんだ。ミスを犯したようなときにね。フェラーリの場合は特にそうだよ」
「もしそうしなければ、ドライバーは自分が犯したミスによって生じたプレッシャーにうまく対応することが非常に難しくなってしまう」
「私は彼がドイツ(第11戦)でクラッシュしたときのことを覚えているよ。すごく目立つミスを犯したことで、ベッテルにとっては強烈な打撃となってしまった。だが、ドライバーはあまり強く守られていたようには見えなかった。私にはそうは思えなかった」
「そしてモンツァ(第14戦イタリアGP)では、ハミルトンが彼を劇的にオーバーテイクしてレースで勝利した。私は、あれはベッテルが苦しめられていたプレッシャーによるものだったと思っているし、チームはもっと公然と彼を支援するだろうと思っていたよ」
「彼も内々にはサポートされていたのかもしれない、だけど、プレッシャーを和らげるためには公然とそうすべきだったんだ。とりわけイタリアのメディアから守るためにね。ああいう時には、フェラーリで勝つのはさらに困難になってしまう」
そう主張した47歳のデ・ラ・ロサは次のように付け加えた。
「ひとたびまずい方向に向かい始めると、フェラーリにおいて集中を保って冷静でいることはものすごく難しいからね」