来季レッドブルに昇格するピエール・ガスリーの後任にダニール・クビアトを復帰させることを発表したトロロッソだが、そのチームメートとしてブレンドン・ハートレーが来季も残留する可能性が高まってきているようだ。
■ティクトゥムの昇格はほぼ絶望
ジュニアチームであるトロロッソのドライバー決定権を持つレッドブルでは、現在ヨーロッパF3に参戦している育成ドライバーのダン・ティクトゥムをなんとか2019年にF1昇格させようと考えているようだとうわさされていた。
だが、シーズン終盤にミハエル・シューマッハの息子ミックにランキングを逆転されてF3タイトル獲得に黄信号がともったティクトゥムはミックに対して不適切な発言を行うという失態を犯してしまった。
これを受け、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはF1ロシアGPが開催されているソチにおいて、19歳のティクトゥムにはまだF1で走る準備ができていないと語ったことが報じられている。
そして、トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストもホーナーと同じ考えを持っているようだ。
「彼(ティクトゥム)は才能のあるドライバーだ。だが、私が思うに、彼はまだF1に進むには早すぎるよ」
「彼にはもう1年か2年、スーパーフォーミュラかF2でやる必要がある」
そう語ったトストは次のように付け加えた。
「現在のF1は非常に複雑で非常に速いし、現在のF1レギュレーションではF3から直接上がるのは非常に困難だからね」
■トストはスーパーライセンス制度を評価
いずれにしても、もしティクトゥムが今季のヨーロッパF3タイトルを逃すことになれば、F1昇格に必要なスーパーライセンスポイントをかき集めることも不可能となってしまう。
当初ティクトゥムの昇格を検討していたレッドブルのドライバー育成責任者ヘルムート・マルコは、現在のF1スーパーライセンスポイント制度によって有能な若手を早期にF1に昇格させることができないのはおかしいと不満を表していた。
だが、トストの考えは違うようだ。
「私は、スーパーライセンス制度は好ましいと思っているよ」
「それによって、F1に昇格するドライバーには必要とされる技術と経験が備わるということだからね」とトストは語った。
■トロロッソに残された選択肢はハートレー残留か
メディアの中には、2019年にトロロッソ・ホンダでクビアトのチームメートとなる可能性があるのは以前メルセデスに所属していたパスカル・ウェーレインもしくはヨーロッパF3で大きく才能を開花させたミック・シューマッハではないかと報じているところもある。
だが、マルコは最近、ハートレーが残留する可能性を示唆し始めている。
「彼には今シーズンの残りのレースで自分の力を示すチャンスがある」
「彼にはピエール・ガスリーに勝つ必要があるし、それは彼自身も分かっていることだ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「だが、彼をこのままクルマに乗せるのも最悪の解決策ではないだろう」
そのマルコは、今季限りでフォース・インディアのシートを失うことがほぼ確実となっているエステバン・オコンの力を認めつつも、メルセデス所属ドライバーであるオコンが完全にフリーな状態にならなければトロロッソの候補ドライバーとすることはできないと主張している。
だが、オコン自身も、さらにオコンを契約下に置くメルセデスも、現在の関係を解消するつもりはないようだ。