2018年F1第16戦ロシアGPが9月29日(土)、ソチ・オートドローム(1周5.848km)で2日目を迎え、現地時間15時(日本時間21時)から行われた予選でメルセデスのバルテリ・ボッタスがポールポジションを獲得した。今季2回目、通算6回目。
●【画像:予選結果】2018年F1第16戦ロシアGP予選Q1-Q2-Q3のタイム、周回数
【予選Q1】ホンダはガスリーがQ2進出
18分間で行われたQ1では、最初のアタックを終えた時点でここまで圧倒的な速さを見せてきたメルセデスのルイス・ハミルトンが順当にトップに立ち、それにボッタス、フェラーリのキミ・ライコネンとセバスチャン・ベッテルが続く。
この時点では規定数を超えるPUコンポーネント投入によるグリッド降格ペナルティーを受けるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーも決勝を想定したセッティングが施されたクルマで9番手と健闘を見せた。
Q1が終盤に向かうと、やはりグリッド降格ペナルティーを受けるレッドブル勢がフェラーリ勢を上回る3番手4番手に浮上。この時点でノックアウトゾーンの16番手に下がっていたトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーもQ2進出を目指して最後のアタックに臨むが、不運にもその前でウィリアムズのマシンがスピンを喫し、そこで黄旗が振られてしまい、そこでアタックを断念せざるを得なかった。
今季も不調が続いているマクラーレンだが、このソチでもそこから抜け出すことができず、2台ともにQ1敗退となってしまった。
ガスリーは最終的に13番手でQ2進出を果たしている。
Q1でノックアウトされた16番手から20番手までのドライバーは以下の通り。
16番手ブレンドン・ハートレー(トロロッソ)、17番手フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)、18番手セルゲイ・シロトキン(ウィリアムズ)、19番手ストフェル・バンドーン(マクラーレン)、20番手ランス・ストロール(ウィリアムズ)。
【予選Q2】10台によるQ3進出争いに
15分間で争われたQ2では、メルセデス勢とフェラーリ勢が決勝でのタイヤ戦略を見据えてソチに持ち込まれたドライタイヤのうち中間に位置するウルトラソフトタイヤでセッションに臨んだ。
ここでもハミルトンが速さを見せつけてトップタイムをマーク。2番手にボッタスが続き、ベッテルはハミルトンから0.450秒遅れの3番手、ライコネンが4番手で続く。
決勝でグリッド降格を受けることが決まっているレッドブルの2台とトロロッソ・ホンダのガスリーはあえて走行を行わないことを選択。
ところが、この3台がグリッド降格となることから、走らずとも11番グリッドと12番グリッドを手に入れることが可能となったルノーも走行を行わずにタイヤを温存する作戦に出る。Q3に進出しなければスタートタイヤを手持ちタイヤの中から自由に選択できるメリットもあるためだが、この結果コースに出てタイムを刻んだ10台がそのままQ3に進出できるという意外な展開となった。
結局、事実上10台で争われたQ2だが、メルセデス勢、フェラーリ勢に続いてシャルル・ルクレール(ザウバー)、ロマン・グロージャン(ハース)、エステバン・オコン(フォース・インディア)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、セルジオ・ペレス(フォース・インディア)、マーカス・エリクソン(ザウバー)がQ3進出を果たした。
走行することなくノータイムでQ2を終えた11番手から15番手までのドライバーは以下の通り。
11番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、12番手ダニエル・リカルド(レッドブル)、13番手ピエール・ガスリー(トロロッソ)、14番手カルロス・サインツ(ルノー)、15番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)。
【予選Q3】最後の最後に底力を見せたボッタス
12分間で戦われるQ3が開始されると、フォース・インディアのオコンを先頭に、メルセデスのボッタス、ハミルトンの順でコースに入っていく。
ここまでの展開から、ハミルトンの今季8回目のポールポジション獲得がかなり濃厚だという印象があったが、Q3最初のアタックでこのサーキットを得意としているボッタスが最後に底力を見せて1分31秒528を刻む。セクター1こそボッタスを上回ったハミルトンだったが、セクター2と3をうまくまとめることができず、ボッタスに1000分の4秒差の2番手にとどまった。
ベッテルはボッタスから0.639秒差の3番手にとどまり、この時点で事実上ポール獲得の望みが絶たれる状況となってしまった。
Q3の残り時間がわずかとなり、最後のアタック合戦が開始されると、ハミルトンがボッタスの暫定ポールタイムを上回るのかどうかということに注目が集まった。
しかし、ここでさらに集中力を高めたボッタスが自分がマークした暫定ポールタイムをさらに更新する1分31秒387をマーク。ハミルトンも懸命な走りを見せるがいきおいあまってコーナーで膨らみ過ぎてしまい、そこでアタックを断念せざるを得なかった。
この結果、伏兵と見られていたボッタスが最終的にハミルトンに0.145秒の差をつけて第9戦オーストリア以来となる今季2度目のポールポジションを獲得した。
■予選トップ10ドライバー
ポールポジション/バルテリ・ボッタス(メルセデス) 1:31.387
2番手/ルイス・ハミルトン(メルセデス) 1:31.532
3番手/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ) 1:31.943
4番手/キミ・ライコネン(フェラーリ) 1:32.237
5番手/ケビン・マグヌッセン(ハース) 1:33.181
6番手/エステバン・オコン(フォース・インディア) 1:33.413
7番手/シャルル・ルクレール(ザウバー) 1:33.419
8番手/セルジオ・ペレス(フォース・インディア) 1:33.563
9番手/ロマン・グロージャン(ハース) 1:33.704
10番手/マーカス・エリクソン(ザウバー) 1:35.196
なお、上述の通り、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、マクラーレンのフェルナンド・アロンソ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとダニエル・リカルドは新PU投入によるグリッド降格ペナルティーのため、明日の決勝はグリッド後方からのスタートとなる。
F1ロシアGP決勝は、明日の日本時間20時10分にスタートする。