イタリア出身の元F1ドライバーであるヤルノ・トゥルーリが、今のF1は自分が走っていたころに比べるとずいぶんひどいものになってしまったと嘆いた。
1997年から2011年にかけて活躍し、そのうち5シーズンをトヨタで戦ったことから日本でも知名度が高いトゥルーリだが、現在のF1にはまったく満足できていないようだ。
■今のF1を見ると悔しい
「F1はどうなってしまったんだ?」
フェラーリの内情に詳しいジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニのブログ内でそう語った44歳のトゥルーリは次のように続けている。
「シンガポール(第15戦)ではドライバーたちがポールタイムより1周あたり10秒から12秒も遅いペースで走っていたなんて理解できるかい? ふざけているし、ばかげているよ」
「僕はキミ(ライコネン)やフェルナンド(アロンソ)、そしてルイス(ハミルトン)やセブ(ベッテル)が感じているであろう失望を想像することができるよ。彼らはF1が本当のF1だったころを知っているからね」
「あのころのF1はスタートからフィニッシュまでプッシュし続けたものさ。だけど、今では燃費やタイヤやその他もろもろに注意を払う必要があるだ。早急に介入しないと、F1がねじ曲げられるリスクを回避できなくなってしまうよ」
「僕はこの世界(F1)が大好きだから、ものすごく悔しいんだ。僕の人生そのものだったからね。残念だよ」
■今年のハミルトンは強い
そう語ったトゥルーリだが、今季のハミルトンの走りには感心しているようだ。
「彼はこれまでも強かったけれど、何かうまくいかないことも多かった。だけど、今回は何もミスを犯していない。こう言っては申し訳ないけれど、彼の方がずっとベッテルより上だった」
そう語ったトゥルーリは次のように付け加えている。
「フェラーリにとっては、またしても夢が消えつつあるよ」