「ベッテルはルクレールに勝てない」と元フェラーリ育成ドライバー
かつてフェラーリのドライバー育成アカデミーメンバーであったラファエレ・マルチェロが、来季フェラーリに昇格するシャルル・ルクレール（ザウバー）がセバスチャン・ベッテルよりもいい成績を収めるだろうと語った。
やはりフェラーリのアカデミーメンバーであるルクレールは今季ザウバーからF1デビューを飾るとその才能を十二分に発揮。来季はF1デビュー2年目にして名門フェラーリのドライバーを務めることになっている。
現在23歳のマルチェロもかつてフェラーリのアカデミードライバーとなり、2014年のシーズン後にアブダビで行われた公式テストに参加すると、翌2015年にはザウバーのテストドライバーを務めた経験を持っている。しかし、その年限りでフェラーリやザウバーとの関係に終止符を打ったマルチェロは、現在はGTシリーズなどに参戦中だ。
■ルクレールの方が速いはずだとマルチェロ
スイス生まれのイタリア人ドライバーであるマルチェロは、スペインの『AS』に対し、2019年にはベッテルもルクレールには苦戦するだろうと次のように語った。
「レッドブルにいたころ、彼（ベッテル）はマーク・ウェバーには勝っていた。だけど彼（ウェバー）はF1チャンピオンではなかったし、クルマもライバルたちのものよりもよかった」
さらに、ベッテルが新たなチームメートとなったダニエル・リカルドに敗れた形となったレッドブル最後の年（2014年シーズン）に言及したマルチェロは次のように続けた。
「チャンピオンたるものはプレッシャーにうまく対処しなくてはならないけれど、今のベッテルはプレッシャーに苦しんでいるのが分かる」
「キミ（ライコネン）との比較はあまり参考にはならないよ。だって、僕が2014年に参加したアブダビでのテストでは僕の方がコンマ7秒速かったんだからね」
「多分、キミは2、3年前にいくらかモチベーションを失ってしまったんじゃないかと僕は思っているよ」
「個人的には、ベッテルはハミルトンや（フェルナンド）アロンソ、あるいは（ロバート）クビサにさえかなわないと思っている。僕は、ルクレールがフェラーリに行けばすぐにセバスチャンに勝つことができるはずだと確信しているよ」
■フェラーリはそれほど甘くないとビルヌーブ
一方、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、ルクレールにとって2019年が「素晴らしいチャンス」であることは間違いないものの、フェラーリにとっては「リスク」でもあると考えている。
「心理学的な観点からすれば、フェラーリはドライブするのが最も厳しいチームなんだ」
オランダの『Formule 1（フォーミュレ1）』にそう語った47歳のビルヌーブは次のように付け加えている。
「あそこにいるドライバーは強いプレッシャーを感じることになる。プロストやマンセルだってそうだったし、今はベッテルですら苦しんでいるよ」
まだ怖いもの知らずとも言える20歳のルクレールがそうしたフェラーリならではの重圧に打ち勝って活躍を見せることができるのかどうか、それも2019年F1シーズンの見どころのひとつとなりそうだ。
